トッポッキチェーン店でマネジャーとして働き、食器を洗うク・ジャミンさん(31)(c)MONEYTODAY

トッポッキチェーン店でマネジャーとして働き、食器を洗うク・ジャミンさん(31)(c)MONEYTODAY

【08月18日 KOREA WAVE】午前5時50分にダイソー、午前10時30分にトッポッキチェーン店、午後6時にデザインスタジオ。これはク・ジャミンさん(31)の1日の出勤スケジュールだ。

韓国・世宗市のトッポッキチェーン店で取材に応じたク・ジャミンさんは、インタビュー中も休む間なく食器洗いや食材の下ごしらえをしていた。この日は朝、ダイソーで入荷作業を終えた後、すぐに2カ所目の職場へ出勤したという。

ク・ジャミンさんは現在、世宗市でダイソーの契約社員として入荷作業を担当するほか、トッポッキチェーン店の正社員マネジャー、フリーランスのデザイナーという3つの仕事を掛け持ちしている。

早朝にダイソーへ出勤して商品を運び、陳列した後、トッポッキ店へ移動してホールと厨房を管理する。仕事を終えると、自ら運営するデザインスタジオへ向かう。

1日を複数の仕事に分けて働くのはク・ジャミンさんだけではない。就職難や物価高の中、生活のために複数の仕事を掛け持ちする一方、会社の外で自分の夢を追う20~30代の「Nジョブ」ワーカーが増えている。

SNSでも「ダブルワーク」や「トリプルワーク」の日常を発信する若者は珍しくない。ある20代女性は、トンカツ店でのアルバイト、配達、キャラクター雑貨事業を掛け持ちする様子を動画で公開している。営業職として働きながら、ネットショップ業務とインラインスケートの指導もこなす20代男性の動画も人気を集めている。

短時間勤務の労働者も過去最多水準に増えた。国家データ処によると、週の就業時間が15時間未満の超短時間労働者は2025年に174万2000人となり、過去最多を記録した。

いわゆる「細切れアルバイト」が広がる中、一つの仕事だけでは十分な収入を得にくく、若者が複数の仕事を掛け持ちせざるを得ない環境も生まれている。

ク・ジャミンさんも、最初から複数の仕事をするつもりだったわけではない。大学卒業後の2019年、デザイン職として会社に就職したが、深刻な燃え尽き状態を経験して退職した。

その後、再び就職活動を始めたものの、午前9時に出勤し午後6時に退勤する「会社員の生活」には抵抗を感じたという。

代わりに、以前から夢見ていた自分のデザインブランドを立ち上げることにした。実姉とデザインスタジオを開いたが、間もなく新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われ、予定していた大型プロジェクトが相次いで中止となった。安定した収入源が必要になった。

そんな中、求人サイトでダイソーの入荷スタッフ募集を見つけた。ちょうど父親がトッポッキチェーン店を開業し、マネジャー業務も任されることになった。

デザインを諦めないために始めた仕事が、やがてク・ジャミンさんの日常になった。

3つの仕事を掛け持ちする生活は大変だ。会社員時代と比べて収入が大幅に増えたわけではなく、複数の仕事を行き来するため、一つのことに集中しにくい時もあるという。

それでもク・ジャミンさんは、「会社」に縛られない現在の生活に満足している。

ク・ジャミンさんは「むしろ『自分の時間』ができたことで、逆にデザイン作業にもより集中できるようになった。若者は必ず会社員にならなければならないという考え方自体が固定観念だと思う」と話した。

専門家は、一つの会社に就職せず複数の短期雇用で働く若者が増えている背景について、就職難の深刻化や職業選択肢の増加、自己実現を重視する若年層の価値観の変化が重なった結果だと分析する。

韓城大学経済学科のキム・サンボン教授は「就職難に加え、細切れアルバイトの急増が重なり、若者がNジョブを選ばざるを得ない環境が形成されている」と指摘。「配達からAI活用、技術職まで職業の範囲が広がり、仕事の選択肢が増えていることも、現在の雇用市場にみられる複合的な流れだ」と説明した。

さらに「既成世代と異なり、待遇の良い大企業であっても自己実現を優先する20~30代の特徴も、Nジョブ人気に影響している」と付け加えた。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News

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