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食品開発・商用化支援を手掛けるカナダのCultivated Food Labsは今年、代替カカオの開発にカナダ政府から10万3,000カナダドル(約1,100万円)の助成を受けた。中小企業のイノベーション促進を目的とする助成金で、期間は2026年4月からの1年間。
Cultivated Food Labsはこの資金で、豆類原料をアップサイクルした代替カカオ開発を進める。焼き菓子やドリンク、スナック菓子など食品用途でカカオ粉末の使用量を削減する原料を開発し、パイロット規模でプロセスの最適化を進める。
Good Catchを生んだGathered Foods傘下の企業


出典:Cultivated Food Labs
Cultivated Food Labsは、一般的な代替カカオスタートアップとはやや異なる。2019年に設立され、食品企業向けに製品開発やプロセス改善、サンプル製造、スケールアップなど、企画から商用化までを支援している。
同社を所有するのは、植物性シーフードブランド「Good Catch」を開発したGathered Foodsだ。Good Catchの北米事業は2022年にWicked Kitchenに売却され、Wicked Kitchenが2024年にAhimsa Companies傘下に入ったことで、Good Catchも同社のブランド群に組み込まれた。
Gathered Foodsは現在、バンクーバーに拠点を置くCultivated Food Labsの6,700平方フィートの施設で「未来に優しい食品(Future-Friendly Foods)」の開発に取り組んでいる。
「未来に優しい食品」の詳細は未公表だが、その一つが代替カカオと思われる。
AgFunderの報道によると、Cultivated Food Labsはそら豆の外皮を原料に使用し、酵母と酵素処理を組み合わせた独自製法で代替カカオを開発している。他の豆をブレンドし、タンパク質や食物繊維を増やし、栄養価を高めた製品設計も構想しているという。
初期は委託製造業者を活用してB2B原料として販売し、最終的には技術のライセンス供与または売却を目指しているとAgFunderのインタビューで述べている。
副産物から代替カカオ、公的支援も広がる


カカオ豆の価格 出典:Business Insider
2024年のカカオショックは、カカオ豆の供給不安や価格変動という課題を浮き彫りにした。最高値を記録した時期と比べると現在の相場は落ち着いているものの、カカオは主に赤道周辺の熱帯地域で栽培され、栽培の最適温度は32℃までとされるため、気候変動による高温化の影響を受けやすい。
こうした中、サプライチェーンを安定させる代替原料の開発が進んでいる。
Cultivated Food Labsの原料は100%のカカオ代替を狙ったものではない。従来のカカオを最大50%置き換えても、官能性能の低下はみられなかったとしている。同社のように、副産物をアップサイクルして付加価値の高い代替原料を開発する動きが増えている。
仏Green Spot Technologiesは、そら豆とブドウの副産物を発酵させた代替カカオ素材を開発している。デンマークのEndless food Coはビール粕をアップサイクルした代替チョコレートを開発。今年5月にはデンマーク全土への提供に向けて、大手業務用卸が同社素材の正式な取扱いを開始した。シンガポールのMycosortiaは、おからなどをアップサイクルした代替カカオ素材を開発している。
大手企業と公的機関との開発も始まっている。
今年1月には、フランス大手製麦会社Soufflet Maltとフランスの官民連携プロジェクト「Ferments du Futur」が、大麦麦芽や小麦などの発芽穀物の固体発酵で、カカオに似た風味を持つ原料を開発する18カ月の共同研究を開始した。
「Ferments du Futur」は国家計画「France 2030」のもとで政府支援を受けており、代替カカオの開発はスタートアップによる取り組みだけでなく、政府支援を受ける官民プロジェクトにも広がり始めている。
※本記事は、カナダ政府公表資料をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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