
学芸員が説明する過冷却の仕組みを興味深く見守る来館者たち=加賀市中谷宇吉郎雪の科学館で
8月も半ばを迎え、まだまだ厳しい暑さが続く。この猛暑を乗り切るため、南加賀各地で「涼」を感じられるスポットやグルメを紹介する。
「ダイヤモンドダストをここで再現してみます」。加賀市中谷宇吉郎雪の科学館の実験スペースで、学芸員の石川真知子さんが来館者に呼びかけた。零下30度の冷凍庫の中で再現したダイヤモンドダストがモニターに映し出されると、集まった来館者からは「おー。きれい」と歓声が上がった。
石川さんは冷凍庫で静かにゆっくり冷やすことで、0度を下回っても凍らずに液体のままの状態が続く過冷却の仕組みを解説。実際にペットボトルの中に入った過冷却状態の水を使い、氷を入れることで中の水が凍っていく様子なども紹介した。
館内には、氷で雪のペンダントを無料で作れるコーナーもある。熱伝導率が高いアルミニウムを雪の結晶の形にくりぬいた型で、四角い氷を挟んで作る。夏の暑さで溶けてしまうはかなさと、涼しさを感じた。
夏休み期間を使って小松市の祖父母の家を訪れ、自由研究のために来館した小学3年の高木優さん(8)は「雪の結晶がどうやってできるのかが分かって、すごく勉強になった。暑さを忘れた」と笑った。
同館は能登半島地震の影響で一時休館し、今年4月にリニューアルオープン。それに合わせて中谷宇吉郎記念財団の協力で、開館以来初めて一部展示内容を更新した。写真などをふんだんに使い、科学者中谷宇吉郎の功績や人となりを伝えるほか、宇吉郎が初めて人工の雪の結晶作成に成功し、実験研究を盛んに行っていた研究室を再現した部屋も見学できる。
公下隆施設長(62)は「宇吉郎が魅了された自然の飽きることのない楽しさを伝えていきたい。大人も子どもも科学する心を育むことができる。ぜひ、来館してもらえたら」と語った。(小川祥)
加賀市中谷宇吉郎雪の科学館 加賀市出身で世界で初めて人工的に雪の結晶を作り出すことに成功した中谷宇吉郎(1900〜62年)の功績や人となりを学べる。加賀市潮津町イ106。開館は午前9時〜午後5時(入館は午後4時半まで)。水曜休館(祝日は開館)。入館料は一般560円、75歳以上280円、高校生以下無料。
