東京都美術館で「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」が開幕
![]()
著者フォロー
フォロー中
2026.8.14(金)
「大英博物館日本美術コレクション」展 会場写真
世界を代表するミュージアムのひとつ、大英博物館。約4万点におよぶ同館の日本コレクションから、江戸時代の屛風、掛軸、絵巻、浮世絵といった日本美術作品を紹介する「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」が東京都美術館で開幕した。
コレクション総数は約800万点
1753年、イギリス・ロンドンに創立された大英博物館。人類の歴史と文化に関する膨大な遺物・美術品を国や地域を越えて収集し、コレクション総数は現在約800万点とされている。
その800万点のうち、およそ4万点を日本コレクションが占めている。なかでも美術品のジャンルは伝統的なやまと絵から、浮世絵、工芸、仏教美術、近現代の作品まで多岐にわたり、日本美術史を通覧することができる。これらのコレクションは19世紀後半のジャポニスムの流行以降、日本文化に魅せられたヨーロッパの収集家と大英博物館が一体となって築いてきたもの。
その言葉通り、大英博物館の日本美術コレクション、とくに浮世絵作品を鑑賞すると、残念ながら「日本は負けている」と感じることが多い。大英博物館の浮世絵版画は保存状態がよく、摺りたてのように色鮮やか。さらに有名絵師による一点ものの貴重な肉筆浮世絵も数多く所蔵されている。
優れた日本美術作品がなぜイギリスに?
ではなぜ、大英博物館は日本を凌駕するような浮世絵コレクションを形成することができたのか。まずは歴史の違いだろう。大英博物館の創立は1753年。一方、日本初の国立博物館である東京国立博物館の設立は1872年。美術作品の収集や保存、展示などの知識や技術を培ううえで、120年の差は大きい。
加えて、浮世絵の性格も要因のひとつだ。浮世絵はそもそも人気の役者や町の美人などを紹介するブロマイド、あるいは各地の名所や風景を案内する旅行ガイド的なものとして出版された。明治時代、日本に「美術」という言葉が浸透し始めても、当時の日本人は浮世絵を美術とみなすことはなかったのである。
大量に廃棄されようとしていた浮世絵に美術的価値を見出し、その収集に意欲を燃やしたのは明治時代に訪日した西洋人だった。江戸末期に来日した英国外交官アーネスト・サトウ、明治政府に招かれた、いわゆる“お雇い外国人”のウィリアム・アンダーソン。彼らは浮世絵を集め、やがてそのコレクションは大英博物館に収蔵されることになった。
