(CNN) 米西部を流れるコロラド川流域で干ばつが続く影響で、米国で2番目に大きい貯水池パウエル湖の水位が低下し続け、観測史上最低を記録した。パウエル湖は数百万人への水や電力の供給に使われている。
米開拓局の16日の発表によると、パウエル湖の水位は15日、3519.91フィート(約1073メートル)まで低下し、2023年4月に記録した過去最低の3519.92フィートを下回った。あと約9.1メートル低下すれば、パウエル湖での水力発電が不可能になる。
9日前には下流にある米国最大の貯水池ミード湖も、90年前にダムができて以来、最も低い水位を記録していた。ユタ州立大学コロラド川研究センターのジャック・シュミット所長は、「我々は未踏の領域にいる」と語った。

コロラド川の眺め=7月31日/Justin Sullivan/Getty Images
ミード湖とパウエル湖は、グランドキャニオンをはさんで巨大な貯水池を形成しており、コロラド川流域の総水量の約60%を蓄えている。しかし20年以上前からかつてない水位の低下が続き、コロラド川の危機的な状況を見せつけていた。
米南西部の生命線と呼ばれるコロラド川は、雪解け水が流れるロッキー山脈を源流とし、メキシコに面したカリフォルニア湾へと注ぐ。コロラド川の水はカリフォルニア、アリゾナ、ネバダ、ニューメキシコ、ワイオミング、コロラド、ユタの7州をまたいで約4000万人に供給され、約200万ヘクタールの農業用水として使われている。
しかし気候変動の影響で干ばつが増えて気温が上昇し、水使用量も増え続ける中、コロラド川の水量は2000年以来、約20%減少。その影響がミード湖やパウエル湖に及んでいる。
アリゾナ州とユタ州にまたがるパウエル湖は、1950年代にグレンキャニオン・ダム建設によって作られた。貯水は1963年に始まり、満水位の海抜約1128メートルに達するまで17年かかった。

グレンキャニオン・ダムを見下ろす人々=7月14日/John Locher/AP
貯水池の水位は変動が大きい。毎年5月から7月にかけては雪解け水が流れ込んで水位が上昇し、その後は水位が低下する。
しかし今年は過去数年と同様に雪が少なく、前回の冬は米西部で記録的な乾燥と温暖が続いた。
特に発電への影響は懸念が大きい。コロラド川の水力で稼働するグレンキャニオン・ダムの発電所は、年間約50万世帯分の電力を、コロラド、ユタ、ワイオミング、ニューメキシコ、アリゾナ、ネバダ、ネブラスカの各州に供給している。
しかしパウエル湖の水位は現在、発電に最低限必要な約1064メートルへと急速に近付いている。これを下回れば、発電用のタービンが動かなくなる。

パウエル湖の岩壁に残る線は貯水池の水位がいかに低下しているかを物語る=7月15日/John Locher/AP
水と気候に詳しいコロラド州立大学のブラッド・ユダール氏は、「特別な措置」を講じない限り、今年はこの「恐ろしい水準」に達してしまうだろうと危機感を募らせる。
最も危惧されるのは、パウエル湖の水位が「死水位」と呼ばれる約1027メートルを切る事態だ。そうなると、ダムから下流へ一切水を流すことができなくなる。
そうした事態はとても予想できないと、ユタ州立大学のシュミット氏は言う。「そうなる事態を防ぐために、水使用量を減らす厳格な措置が講じられるだろう」
米開拓局の広報は、「パウエル湖とミード湖の危機的な水位低下リスクを軽減するため、引き続き尽力する」と話している。
