京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ(京都市左京区)で、『禅とジブリ』京都展が10月3日から開催されます。本展は、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏と禅僧による対談をまとめた著書『禅とジブリ』(淡交社)を原点とし、ジブリ作品を通して、“禅的なまなざし”に触れる体感型の展覧会です。
『禅とジブリ』公式YouTubeチャンネルでは、本展の応援団長に就任した、俳優の石田ゆり子さんとスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー出演のスペシャルコンテンツが公開されています。

8月6日には、4本の動画が新たに公開。いずれも東京・世田谷区の龍雲寺で収録されました。石田さんと鈴木敏夫プロデューサーが、龍雲寺の細川晋輔住職との対話を通じてスタジオジブリ作品と禅の関係性を紐解きます。『もののけ姫』(1997年公開)で山犬に育てられた少女・サンを演じた石田さんですが、一番好きなジブリ作品を聞かれると意外な答えが。それを聞いた鈴木プロデューサーの笑顔の訳とは…。ジブリ作品のファンはもちろん、石田さんのファンや禅に興味のある人も必見の貴重なエピソードが盛りだくさんです。

新たなスペシャルコンテンツの中では、江戸時代の禅僧・白隠慧鶴の作品も複数、紹介されています。白隠の作品が「大好き」と公言している鈴木プロデューサーは、これまでに数多くの白隠禅画を模写してきました。展覧会『禅とジブリ』では、鈴木プロデューサーによる達磨図などの作品も展示されます。
白隠は書画を通して民衆への布教に尽力した名僧で、“臨済禅中興の祖”として知られています。中でも豪快な筆遣いが特徴の「達磨図」は有名で、白隠は“達磨とは何か”を自問自答し、生涯かけて多くの達磨を描き続けました。『禅とジブリ』の後期展として12月17日(木)から開催される『白隠さんの禅』京都展では、紹介された作品の一部を含む白隠の優品が展示されます。
◇新コンテンツ4本はこちら
(読売新聞美術展ナビ編集班)
『禅とジブリ』京都展
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
会期:2026年10月3日(土)~12月6日(日)
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(10月12日、11月23日は開館)
観覧料:一般・大学生 1,900円、中高校生 1,500円、小学生1,100円
アクセス:地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約8分/市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
詳細は、展覧会公式サイトまで。
プレビュー記事
Title Written by Toshio Suzuki ⒸKanyada
スタジオジブリの作品には、善悪を二分しない多義性、答えを急がない余白、“分からないままに受け取る”姿勢を感じることができます。これは、禅が大切にする「分けない」「決めつけない」「ありのまま観る」という思想と深く響きあうものです。
そこで今回は、本展の概要をまとめるとともに、本展の応援団長に就任した石田ゆり子さんからのコメントや、石田さんと鈴木敏夫氏が出演する『禅とジブリ』公式YouTubeチャンネルでのスペシャルコンテンツについても取り上げます。
展覧会「禅とジブリ」
「今、ここ」に戻る時間を。

宮さん(宮﨑駿監督)と僕の一番の共通項は、四十年付き合って過去の話をしたことがないこと。いつも「今、ここ」なんです。―鈴木敏夫(『禅とジブリ』淡交社より)
この言葉は、禅の核心を示しています。過去でも未来でもなく、「今、ここ」にいること。本展を訪れた方が、忙しい日常のなかでも、その感覚を日々の暮らしへ持ち帰っていただけたら…
そんな願いを込めた展覧会です。
禅寺と禅文化が今も日常の風景として息づく京都で、本展は産声を上げます。マインドフルネスの潮流のなかで禅の思想が国内外で再び注目されるいま、ジブリというなじみ深いレンズを通して、禅を“自分ごと”として感じていただける場となっています。
展示について
© 2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli
展示エリアは宮﨑駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』の世界観を中心に構成。スタジオジブリ史上、海外で最も多くの観客動員を記録した本作は、明確な答えを示さない世界観が観客の心に静かな余韻を残しました。来場者はアオサギに導かれるように異世界、そしてスタジオジブリの創作の空間に足を踏み入れます。
会場内には、ジブリ作品の名場面を思い出す立体物のほか、鈴木プロデューサー直筆の禅画や書なども展示。ジブリ作品全体に通底する禅的な“ものの見方”を感じ取ることのできる展覧会となっています。
© Hayao Miyazaki/Toshio Suzuki
本展の応援団長に石田ゆり子さんが就任!
展覧会「禅とジブリ」
本展の応援団長に、俳優の石田ゆり子さんが就任しました。石田ゆり子さんは、1997年公開のスタジオジブリ作品『もののけ姫』で山犬に育てられた少女・サンを演じたほか、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)のおキヨ役、『コクリコ坂から』(2011年)の北斗美樹役でも出演しています。
また、『禅とジブリ』公式YouTubeチャンネルでは、石田ゆり子さんとスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー出演のスペシャルコンテンツが公開されています。
石田さんは、日常にありながら難しいイメージを持たれがちな「禅」を体験して、身近なものとして伝えていきます。
応援団長・石田ゆり子さんからのコメント
展覧会「禅とジブリ」
応援団長、という役目を仰せつかり大変光栄です。しかし、わたし自身も禅とは何か、と問われればなかなか言葉にできない自分がいます。ずっと不思議に思っていました。本当に集中するとその一瞬は永遠になる。そして、それこそが禅の心だと教えていただき、なにか、目の前に見えない扉が開いたような気持ちになりました。禅とジブリ。なんと魅惑的な言葉でしょう。まっさらな心で禅の世界を旅する所存です。皆様ぜひ、ご一緒に。石田ゆり子
石田ゆり子さん・プロフィール
展覧会「禅とジブリ」
1969年10月3日生まれ。東京都出身。1988年NHKドラマ『海の群星』にてデビュー。以降、ドラマ、映画、舞台、執筆活動など多岐に渡り活動。映画『平成狸合戦ぽんぽこ』『もののけ姫』『コクリコ坂から』など、スタジオジブリ作品では声優としても出演。劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』2026年8月21日公開、映画『汝、星のごとく』2026年10月9日公開。
スタジオジブリ作品に流れる、答えを急がない余白やありのままを観る姿勢は、現代を生きる私たちの心に深く響く禅の思想そのものです。名作の数々を新たな視点から見つめ直す本展は、忙しい日々の中で「今、ここ」にある自分自身と向き合う貴重なきっかけを届けてくれるでしょう。禅寺と禅文化が日常に息づく京都の地で、ジブリというなじみ深いレンズを通して、その奥深い世界観を体感してみてはいかがでしょうか。展覧会の予習には、応援団長・石田ゆり子さんと鈴木敏夫さんが出演する展覧会公式YouTubeもぜひチェックしてみてください。(美術展ナビ)
