小さくておもちゃみたいなインスタントカメラ「Polaroid Go Generation 3」(1万6880円)。デジタルと違い、失敗しても必ず手元に写真が残る。その写真体験が、デジタル全盛のいまだからこそ新鮮で楽しい。
前編では、そんな小さなカメラで写真を撮るということの魅力を深堀りしたフォトグラファーの田中利幸さん。後編となる今回は、気になる写りについて。小さなフィルムにはどんな画が浮かび上がるのでしょうか。

監修・執筆:田中利幸(たなかとしゆき)|ファッション誌などでブツ撮りやポートレートを中心に活動するフォトグラファー。カメラ・ガジェット好きで自身で運営するブログ「Tanaka Blog」において、カメラやガジェットに関するちょっとマニアックなことを書いている。
【趣味カメラの世界 #39】
前編では、Polaroid Go Generation 3の小ささや軽さ、そして思わず持ち歩きたくなるようなかわいらしさについて紹介しました。


手のひらに収まるサイズ感で、見た目にもどこかおもちゃのような親しみやすさがあり、いつものバッグに気軽に入れておける。そんな距離感が、このカメラの大きな魅力だと感じました。
では、実際に撮ってみるとどうなのか。
今回は、Polaroid Go Generation 3でモデルや室内の何気ないものを撮影しながら、その写りや使ってみた感覚を見ていきます。
先に正直に書いてしまうと、デジタルカメラやスマートフォンのように、狙った通りにきれいに写るカメラではありません。撮った写真を見て、「これは失敗かな」と思う写真もたくさんありました。
それでも、あとになって眺めてみると、なぜか捨てがたい。
Polaroid Go Generation 3で撮れる写真には、便利で正確なデジタル写真とは違う、不思議な味わいがあります。
■まずは人物を撮ってみる
最初に撮ってみたのは、室内での人物写真です。


今回は、照明をつけなくても過ごせるくらいの明るさがある、日中の室内で撮影しました。Polaroid Go Generation 3で撮ってみると、ちょっと逆光だったりしたときにオートにしていると、フラッシュが光ることが多かったですね。出来上がった写真を見ると、このフラッシュの光が少しレトロなアナログ感を強調してくれているように感じました。
写りはかなりラフです。


顔が少し白く飛んでいたり、ピントがはっきりしていなかったり、細部までくっきり写っているわけではありません。その分、撮影したときのあいまいな記憶のような印象の写りだと感じました。
撮った写真を見返していると、きれいに撮影したポートレートというより、その場の空気や思い出を小さな写真に閉じ込めたようです。


特に引きで人物を撮影すると、表情もほとんど分からず、少しぼんやりとしていて輪郭も曖昧に写ります。
でも、良くも悪くもこの曖昧さがポラロイドらしさに繋がっているのではないかと感じました。
【次ページ】失敗もそのまま残る。でも撮った時の記憶も残る▶
