(CNN) 米情報機関は最近、ロシアのプーチン大統領が今後数年のうちに北大西洋条約機構(NATO)加盟国に限定的な攻撃を仕掛け、NATOの決意を試そうとする可能性があるとの分析をまとめた。報告書の内容に詳しい複数の情報筋が明らかにした。
情報筋によると、情報機関の分析では、ロシアによる事態激化のシナリオの概略がいくつか示されている。サイバー攻撃から、NATOの結束や「1加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃に当たる」と規定するNATO条約第5条への決意を試す小規模侵攻まで、複数の可能性があるが、同盟国の対応を招く閾値(いきち)を超えるものになるとは必ずしも限らないとみられる。
プーチン氏がいつ、どのような方法で実施するかは依然不透明だが、情報筋の1人は、バルト三国やポーランドを狙って何らかの形で事態をエスカレートさせる可能性が高いと指摘した。今回の分析については、米紙ウォールストリート・ジャーナルが最初に報じた。
情報筋によると、米国やNATO当局者は、プーチン氏がウクライナとの戦争を面目を保った形で終結させる方途を確保できない場合、NATOに対して事態をエスカレートさせる可能性があるとの見方を示している。プーチン氏が次の行動方針を選択する期間は、現在から今後数年の間だとも指摘した。
NATOのオドネル報道官は、機密扱いの情報分析についてコメントを控えたものの、NATOは「常にあらゆるシナリオを精査して準備を整えている」と述べた。
ロシアがNATO領に侵入する事例はここ数年、相次いでいる。今年5月には、ロシア軍が付近のウクライナの港を攻撃した際、爆発物を搭載したドローン(無人機)がルーマニアの集合住宅に衝突、2人が負傷した。昨年9月には、ウクライナを攻撃中にポーランド領空を侵犯した複数のロシアのドローンを、NATOの戦闘機が撃墜する出来事もあった。

ウクライナのアントノフ航空の貨物機の近くで、爆発物処理用ロボットを操作する警察の捜査員=5日、ドイツ・ライプチヒ/Photo by Jens Schlueter/Getty Images
さらに今週、米国はドイツの空港で夜間に見つかった爆発物を積んだドローンについて、ロシア情報機関のものだとの判断を下した。欧州にいる米国防当局者がCNNに語った。この当局者によると、ドローンには軍事級の爆発物が搭載されていたという。CNNは先に、ドローンは貨物便運航の保安エリアで空港職員によって発見されたと報じていた。
CNNはプーチン氏に関する米国の情報分析やドローンに関する評価について、クレムリン(ロシア大統領府)にコメントを求めた。
