山形県を拠点に、豚肉の生産から加工、販売までを一貫して手がける大商金山牧場。主力商品「米の娘(こめのこ)ぶた®」は、山形県金山町産の飼料用米などを食べて育つブランド豚として知られる。
【写真】ブタや堆肥はどうしている? 牧場の内部の様子は…
さらに同社では、豚糞を堆肥(たいひ)化して地元農家に提供し、その堆肥で育ったニラを「米の娘餃子(ギョーザ)」に活用するなど、地域の中で資源を循環させる取り組みを進めている。風力発電やCO2フリー電源の活用にも力を入れる同社の循環型農業について話を聞いた。(聞き手 麦角社・渡辺悠樹)
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大商金山牧場(たいしょうかねやまぼくじょう)
1979年創業。山形県を拠点に、豚の生産から食肉加工・販売までを一貫して手がける総合食肉会社。代表ブランド「米の娘ぶた」は、地元産の飼料用米を活用して育てられている。また、豚糞堆肥を地域農業に還元するほか、食品ロス削減の取り組みなど畜産を起点とした循環型農業を実践。2013年「銘柄ポーク好感度コンテスト」グランドチャンピオン(米の娘ぶた)、2024年「ジャパン・フード・セレクション」グランプリ(米の娘餃子)を受賞。
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地元「金山」の名を冠して養豚事業も展開
――大商金山牧場の事業概要を教えてください。
【多田】 主たる事業として、豚肉を中心としたお肉の生産から製造、加工、卸販売までを一貫して行っています。
先代社長である小野木覺会長が、1979年に「肉の大商」という名で創業しました。もともとは卸売業として、養豚農家の方々から豚を仕入れて加工し、大手メーカーなどに卸していたのが始まりです。ただ、いずれは生産も含めて一貫した事業展開をしていきたいという思いは、最初から持っていたようです。
2008年に金山町で農場を立ち上げ、それをきっかけに「大商金山牧場」と社名を改めました。地域の方々から認めていただいてこその地元企業であるとの考えから、社名に金山の名を入れさせていただきました。ちなみに「大商」とは、「大きな商いをしたい」という会長の思いに由来しています。
弊社の大きな特徴の一つとして、安心安全に力を入れている点が挙げられます。お肉を解体する弊社のカット工場が庄内町にあるのですが、公設のと畜場「庄内食肉流通センター」と棟続きになっています。
冷却室とレールが建物内部で直結した構造になっているため、枝肉がそのままレールで運ばれ、外気に触れずにカット工場に入ってきます。外気に含まれるウイルスや細菌にさらされることなく、お肉の解体やパッキングまで一貫してできる。ここが私たちの一つの強みだと自負しています。
――大商金山牧場といえば、ブランド豚「米の娘ぶた」で知られています。特徴をうかがえますか。
【多田】 柔らかい肉質と程よい甘みのある脂がおいしいと、多くの方から好評をいただいています。名前の通り、お米(飼料用米)を豚に食べさせているのが大きな特徴で、さらにホエー(乳清)も配合しています。
2010年に食肉産業展の「銘柄ポーク好感度コンテストPart.9」で初参加にも関わらず最優秀賞を獲得。また、2013年の「銘柄ポーク好感度コンテストグランドチャンピオン大会」で最高賞の「農林水産省生産局長賞」を受賞し、過去10年間に最優秀賞を獲得した銘柄豚の中から初代グランドチャンピオンの称号をいただきました。
餌の与え方ですが、乾燥した配合飼料ではなく、お米とホエー、さらにパンの耳なども加えてスープ状にした飼料を与える「リキッドフィーディング」という方法で育てています。豚にとっては、消化吸収の面で体への負担が軽減されると考えています。
もう一つの特徴として、その飼料用米やパンの耳などを手に入れるにあたって、地域の農家・事業者の方々と連携した循環型の農業に取り組んでいることも挙げられます。
