J-MIND初期活動の2日目は、熊本市内の病院や公的機関などを訪問しました。

 熊本県庁内に設置された災害対策本部や日本トップクラスの分娩件数で知られる福田病院、国立病院機構熊本医療センター、熊本赤十字病院、トラウマ診療で著名なニキハーティホスピタルなどを回り、ニーズ調査とともに、J-MINDとして医療通訳ボランティアを無償派遣できる体制があることを伝えてきました。なかでも災害対策本部の担当者は、私の話を熱心に聞いてくれ、情報共有と緊急の医療通訳派遣の話まで進めることができました。(写真は、災害対策本部が入る熊本県庁)

 医療のフェーズ(段階)には、まず外傷外科的フェーズがあり、内科的フェーズに移行し、そして最後に心のケアのフェーズへと続きます。今は内科的フェーズで、クーラーが設置されていない避難所も多いため、とにかく熱中症に気をつけてもらいたいです。また、脱水からくるエコノミークラス症候群にも注意が必要です。
一方で、精神負荷的な心のケアのフェーズは、何ヶ月にもわたります。このフェーズに来たら熊本市国際交流会館などの場を借りて、健康相談会などを開きたいと考えています。

 今回の各病院での調査では「今すぐ医療通訳は必要ない」という返答でした。しかし、J-MINDとしては、医療を必要とする外国人が本当にいないのか、それとも、本当は受診したいんだけれども、どうやって病院に行ったらいいのか分からず伝えられていないのではないか、その見極めが非常に重要だと感じています。
能登半島地震の時も、当初は『外国人の医療ニーズはない』と言われていましたが、私たちが6カ国語で呼びかけると、何人も集まってきました。そのように声を上げられない人に情報がきちんと届くよう、私たちはしっかりアウトリーチをして、潜在的なニーズを掘り起こしたいと思っています。
実際にJ-MINDのメンバーから、今回の地震で、熊本に住むカメルーン出身の日本語学校生が落下物に当たってケガをしていながらも、経済的な理由や「日本語をうまく話せない」という遠慮から、周囲に負傷を伝えていなかったというケースが報告されました。言葉の壁の厚さと、ニーズを把握する難しさを改めて痛感しました。

 この度の現地入りは、J-MINDの初期活動です。約1週間は警戒体制を敷き、その後は中長期的な視点で健康相談会などの対応に移行し、取り組みを継続します。
現地にある医療資源と外国人患者を適切につなげ、サポートするのが私たちの役割です。今回の経験とネットワークを活かし、誰もが当たり前の医療を当たり前に受けられる環境づくりに向けて、今後も支援活動に全力を尽くしてまいります。

※ニュース和歌山で活動を継続してお伝えします。随時HPにアップします

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益田充…J-MIND(日本災害医療通訳ネットワーク)代表。法学部から国際人権NGOで難民支援に携わる中、アフガニスタンで人道支援に尽くした中村哲医師の献身に感銘を受け、医師に転身。和歌山市の病院で救急外科医、国際医療救護要員として第一線に立つ。問い合わせはメール(office.jmind@gmail.com)。

J-MINDおよび益田充さんの詳細はこちら

(ニュース和歌山/2026年8月5日更新)

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