2026年8月3日 13:05

2025年、障害者施設内の入居者への暴行の疑いで逮捕された16歳の女性が、取調べ中に体調不良を訴え、釈放後に死亡したのは、警察の違法な取り調べが原因として、遺族側が国と県に対し損害賠償を求める裁判を起こし、3日、自民党の森まさこ参議院議員らが都内で会見を行いました。森議員は海外メディアなどを前に、日本の司法の取り調べの違法性などについて訴えました。
2025年2月、兵庫県内の福祉施設に勤務していた当時16歳の少女・るなさん(仮名)は、施設が開催したバレンタインデーに関するイベントの際に、入居者の重度の知的障害がある女性が別の利用者に噛みつこうとしたため、女性のあごに触れるなどして行為を止めさせました。この際、るなさんが女性のあごに触れていたことが虐待ではないかと別の施設利用者が申告し、4か月後の2025年6月、兵庫県警が暴行の疑いで逮捕しました。
遺族などによりますと、取り調べの際、るなさんは容疑を否認し続けましたが、それでも警察による取り調べが続き、るなさんは次第に食事も食べることができず、体調が悪化していったということです。

18日間の勾留を経て、神戸地検が不起訴としたことから、るなさんは釈放されましたが、自宅に戻っても悪化した体調は戻らず、食事をとっても体に吸収されない「低栄養状態」となり入院し、『PTSD・心的外傷後ストレス障害』と診断されました。その後も悪化の一途をたどり、るなさんは去年12月に「るい痩」(病的に体重や脂肪組織が著しく減少した状態)で死亡しました。死亡した際、るなさんの体重はわずか20キロほどしかなかったということです。
遺族は勾留中にるなさんが書き綴っていた「被疑者ノート」を公表しました。取り調べ当時の警察と検察のやりとりなどが記入されていて、取り調べを行った警察官から「いま言ったら楽になるぞ。」などと執拗に容疑を認めるよう追及されていたことが綴られていて、涙でにじんだような跡も残されていました。遺族は今年6月に国と兵庫県に対し、約1億1000万円の損害賠償を求めて提訴したほか、7月31日には必要性がないことを認識しながら、逮捕・勾留したとして当時の明石警察署員3人と神戸地検の検察官を刑事告訴したことも明らかになっています。
■森まさこ参議院議員「この問題を注視していただきたい」
3日、日本外国特派員協会で会見を開いた森まさこ参院議員は、「16歳の少女、るなさんが絶望の内に未来の夢を絶たれて死亡したその無念を晴らすために、そして今後一切、検察から無実の人がひどい取り調べを受けることがないように、国民の皆様と世界中の皆様に申し上げます。日本の検察が、真に国益の代表者として被害者を救済し、弱いものを守る、正義を実現できる機関に生まれ変わるように私どもは戦って参りますので、どうか引き続きこの問題を注視していただきますようお願いします」などと話し、検察組織の改革を訴えました。
最終更新日:2026年8月3日 15:07
