【8月3日 CNS】今後5年間、どのような投資機会があるのか――。これは民間企業や民間資本が最も関心を寄せるテーマの一つだ。
先月末、中国国家発展改革委員会は江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)で民営経済の発展を促進する会議を開催し、「第15次五か年計画(十五五、2026~2030年)」期間における民間投資の重点分野を示した。そこには、数兆元規模の市場が期待される有望分野が数多く並んでいる。
まず注目されるのは、新興基幹産業と未来産業だ。新たな科学技術革命と産業変革が加速する中、第15次五か年計画期間中には、6大新興基幹産業の関連生産額が10兆元(約240兆8020億円)を超える見込みで、未来産業への民間投資も大きく拡大すると期待されている。
巨大な市場規模は、産業チェーンや需要、収益機会の拡大を意味する。機動力と高いイノベーション力を持つ民間企業にとって、新たな成長分野で力を発揮できる環境が整いつつある。
次に期待されるのがサービス産業だ。中国の1人当たりGDPは1万4000ドル(約228万円)に迫り、中間所得層も着実に拡大している。消費はモノ中心からサービスとの両輪へ移行し、文化・観光、健康・介護、生活サービスなどへの需要が急速に高まっている。第15次五か年計画期間中、サービス産業には約20兆元(約481兆6040億円)の市場拡大余地があり、年間約4兆元(約96兆3208億円)ずつ成長すると見込まれている。
さらに、現代的インフラ整備も大きな投資分野となる。第15次五カ年計画期間中、中国の都市化率は67%から70%へ上昇する見通しで、1ポイント上昇するごとに約1兆元(約24兆802億円)規模の新たな投資需要が生まれるとされる。「六つのネットワーク」をはじめとする重点インフラ整備も加速しており、今年の関連投資額は7兆元を超える見込みだ。
これまでインフラなどの大型事業は国有企業が中心だったが、近年は市場参入規制の緩和が進み、「民間投資13項目」の政策によって、民間企業も原子力発電を含む重要分野の大型プロジェクトへ参画できるようになってきた。
新エネルギー車メーカーの柳州延龍集団の呂延中(Lv Yanzhong)董事長は、「以前は想像もできなかった分野が民間企業にも開放されるようになった。これは国が民営経済を重視している証しであり、民間企業の実力が認められていることでもある」と語る。
国家発展改革委員会・民営経済発展局の李慧(Li Hui)局長も、「民間企業は市場機会を捉え、新たな分野や新たな市場への投資を拡大する能力と条件を備えている」と述べ、民営経済の将来性に期待を示した。
こうした数兆元規模の市場が相次いで生まれることは、民間投資が縮小するのではなく、高度化へ向かっていることを示している。投資先はハイテク産業や新型インフラへと移り、「量の拡大」から「質の高い成長」への転換が進みつつある。
こうした投資機会の背景には、政府による政策支援もある。国家発展改革委員会は、民間投資の障害となる課題の解消に向け、市場環境の改善や投融資制度の充実、投資支援体制の強化など、一連の具体策を進めている。
短期的な市場の変動にとらわれるのではなく、新たな成長分野への投資を積極的に進めることが、第15次五カ年計画期間における民間企業の成長戦略として期待されている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News
