Game Maker’s Toolkitは7月27日、自らが主催したゲームジャムイベント「GMTK Game Jam 2026」に提出された作品のゲームエンジン使用率を公開した。ポストによれば、今回初めてGodotがUnityを上回り、もっとも多く使用されたゲームエンジンとなったという。

Game Maker’s Toolkitは、ゲームデザインや開発について掘り下げるYouTubeチャンネルである。ジャーナリストであり自らもゲーム開発者であるMark Brown氏が運営をおこなっており、本稿執筆時点で174万人を超える登録者を持つ人気のチャンネルだ。同チャンネルでは2017年より毎年、短期間でのゲーム開発をおこなうゲームジャム「GMTK Game Jam」を開催している。

10回目の開催となったGMTK Game Jam 2026では、1万777本の作品が提出された。そのうち使用されたゲームエンジンが集計された1万511本の内訳では、Godotが47%と、Unityの34%に10%以上の差をつけており、同イベントにてGodotが初めて使用率トップを獲得した。以下、GameMakerが5%、Unreal Engineが3%と続いている。

同イベントでのゲームエンジン使用率は例年UnityとGodotが大半を占めてきた。2022年にはUnityが61%、Godotが16%と大きな差があり、翌年2023年にもUnityが59%、Godotが19%とほぼ横ばいで推移していた。ところが2024年にはUnityが43%、Godotが37%と一気に迫り、2025年にはUnityが41%、Godotが39%とほぼ拮抗。そして今回ついにGodotがUnityを上回ったかたち。

今回初めてGodotの使用率がUnityを上回ったことで、海外掲示板Redditでも話題となっている。特にGodotの話題が集まるサブレディット「r/godot」では、同イベントでGodotの使用率がトップであったとの投稿に本稿執筆時点で4700件ものUpvote(いいねに相当)が投じられ、お祭り騒ぎの様相を呈している。コメントでは同イベントの参加作品数が「Global Game Jam」を超えていたという報告や、自らもGodotで作品を作ったと嬉々として報告している様子が見られる。提出作品数が世界最大規模のゲームジャムでGodotが“最大勢力”になったことは、ユーザーコミュニティでも祝福されているわけだ。

いっぽうでUnityの話題が集まるサブレディットのひとつ「r/Unity3D」では、冷静にGodot使用率が上昇した理由を考察するコメントが多く見られる。今回Godotはあくまでゲームジャムでの使用率を伸ばしたにすぎず、ゲーム規模をスケールアップさせる場合の機能やサポート体制を踏まえると、商用開発での実務上ではUnityやUnreal Engineに分があるとする意見も寄せられている。一方でGodotの存在によるUnityの改善の加速など、競合するゲームエンジンの存在感が増していることについては期待を寄せる声も見られた。

ちなみに国際ゲーム開発者会議Game Developers Conferenceが毎年公開しているレポート「STATE OF THE GAME INDUSTRY」によると、2024年の調査ではUnityとUnreal Engineがともに33%で、Godotが3%。2025年の調査ではUnityとUnreal Engineがともに32%であり、Godotが4%となっていた。一方で2026年にはUnreal Engineが42%、Unityが30%、Godotが5%という結果に(関連記事)。依然として業界ではUnityとUnreal Engineの使用率が圧倒的ながら、Godotも着実にシェアを拡大している様子がうかがえる。

Image Credit: GDC

Godotは動作が軽量で、反復的な開発ワークフロー、いわゆるイテレーションを素早く回せることが大きな強みになっている(弊誌インタビュー記事)。短期間での開発が求められるGMTK Game Jamにて採用率が高かった背景にも、そうしたゲームエンジンとしての特徴は関係しているのだろう。また本イベントは学生や新規参入者やインディースタジオをメインターゲットとしていることから、参加者層に一定の偏りも存在すると思われる。とはいえ、あくまで単一のゲームジャムでの使用率比較ではあるものの、Godotを使う開発者の広がりを示すひとつの結果といえそうだ。

なお、先日には「Unity 7」が2027年にリリースされることが発表され、元Unreal Engineの開発者による新たなゲームエンジンの開発も進められているなど、ゲーム開発を取り巻く状況は新たな変化の兆しを見せている(関連記事1、関連記事2)。引き続きゲームエンジンにまつわる動向に注目していきたい。

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