2026全国高校野球大分大会 落ち着きが導く 大分商業が13年ぶり聖地へ 【大分県】

第108回全国高校野球選手権大分大会
7月25日 別大興産スタジアム
決勝
津久見 100 000 010|2
大分商 200 100 30×|6

 29年ぶりの伝統校対決となった決勝。大分商業が津久見を6―2で破り、13年ぶり16回目の夏の甲子園出場を決めた。
 立ち上がりは津久見に勢いがあった。初回、先頭打者の出塁を足掛かりに1点を先制。三塁側スタンドを埋めた大応援が球場全体を包み込んだ。それでも、大分商業は揺れなかった。1点を追う一回裏、無死一、二塁で木村颯汰(3年)が適時打を放ち同点。二死後には杉山巧真(2年)が右前へ運び、試合をひっくり返した。

13年ぶりの優勝となった大分商業

 試合前、那賀誠監督が選手たちに「今まで通りでいこう」と伝えた。決勝だからといって特別なことはしない。準々決勝、準決勝と接戦をものにし、何度も苦しい場面を越えてきた。その経験が選手たちから余計な力を取り除いていた。

 四回には中野斗真(3年)のスクイズで3点目を奪った。失敗すれば流れを失いかねない場面で、重圧をはね返すようにスクイズを成功させた。那賀監督は「あの3点目は本当に大きかった」と振り返る。大分商業らしい堅実な攻撃が、じわじわと津久見を追い込んだ。

 守備にも成長が表れた。三塁手の河野晃悠斗(あゆと、3年)は、打球を一度はじいた。それでも慌てず、拾い直して一塁へ送球した。以前なら焦りが悪送球につながっていたかもしれない。だが、この日は違った。「多少ミスがあっても傷口を広げなかった」。那賀監督の言葉通り、選手たちは一つの失敗を次の失敗につなげなかった。その冷静さこそ、このチームが夏を通して身に付けた強さだった。

甲子園で大暴れすると飛躍を誓った

 先発の米田泰志(3年)は四回まで1失点。五回からはエースでキャプテンの平田玲翔(れいと、3年)がマウンドに上がった。準決勝の明豊戦で右手中指にまめをつくり、万全とは言えない状態だった。それでも、那賀監督に迷いはなかった。「平田がここまでチームを引っ張ってきた。あと五回は、平田の力でいけると思った」

 七回には木村の2点適時二塁打などで3点を追加。大分商業は10安打を放ち、津久見を突き放した。それでも那賀監督は「もっと打てるチーム」と笑う。県大会を制してなお、伸びしろを口にするところに、甲子園への期待がにじむ。

 13年ぶりに開かれた甲子園への扉。那賀監督は、その舞台を「最高であり、一番怖い場所」と表現する。全国の強豪が集う場所に、県大会と同じ戦い方が通用する保証はない。それでも大分商業には、接戦を耐え、失敗を引きずらず、勝負どころで力を出せる強さがある。平田は言う。「自分が暴れるというよりチーム全体で暴れたい」。伝統校が13年ぶりに戻る夏。大分商業は落ち着きの奥に秘めた熱を携え、甲子園へ向かう。 (柚野真也)

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