史上最多の48カ国参加という規模で盛り上がった北中米W杯。日本通のドイツ人記者は今大会と現代サッカーのトレンドをどう見たのか。さらに自国ドイツ、日本のめざすべき道まで提言した。〈全2回の2回目/はじめから読む〉
ロシア大会、カタール大会とグループステージ敗退に終わり、奮起を期して臨んだはずの今大会。ドイツ代表はグループステージこそ1位突破を果たしたものの、ベスト32で伏兵パラグアイの粘りに敗れてしまった。大会後はユリアン・ナーゲルスマン監督による選手選考や起用、戦術のアイディア、選手とのコミュニケーションなどについて、元ドイツ代表OBをはじめ様々な識者の批判的なコメントが連日メディアを賑わしている。
日本通のドイツ人記者、フェリックス・リルはそうした背景を踏まえて、次のように語った。
「私の考えでは、言われているほど悪くはなかったと思います。サッカーのようにほんのわずかなプレーが試合の結果を左右するスポーツでは、うまくいかなかったチームはすごく悪く言われるけど、実際にはそこまで悪くはなかったということが多い。
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逆に、成功したチームはすごく持ち上げられるけれど、実際にはそれほど相手チームより優れていたわけではないことだって少なくはない。ディテールが勝敗を分けるというのは、それほど拮抗した試合になるサッカーというスポーツの性質が関わっているのだと思います。
中心選手の不調が痛かった
大きな問題の一つは、キープレーヤーが良いシーズンを過ごせなかったということ。ジャマル・ムシアラは大怪我から復帰しましたが、まだかつてのフォームを取り戻せていない。フロリアン・ビルツも、優れたプレーはありましたが、違いを見せるようなパフォーマンスは出せなかった。
彼らの名を知らずにこのワールドカップのドイツ戦を見ていたら、彼らがドイツで一番価値のある選手だとはだれも思わなかったでしょう。それほど調子がよくなかった。監督とのコミュニケーションの問題もありましたが、振り返れば、大会を勝ち切れるチーム作りができていなかったということは指摘せざるをえません」
