史上最多の48カ国参加という規模で盛り上がった北中米W杯。日本通のドイツ人記者は今大会と現代サッカーのトレンドをどう見たのか。さらに自国ドイツ、日本のめざすべき道まで提言した。〈全2回の1回目/つづきを読む〉
「今大会でいえるのは、秩序だったサッカーが勝ったということだと思います」
39日間にもわたった熱戦の最後に、スペインがアルゼンチンを下して2010年以来となる優勝を果たした2026年ワールドカップ。今大会を振り返りながらドイツ人記者フェリックス・リルはそう強調していた。
決勝戦では2大会連続優勝を狙ったリオネル・メッシを擁するアルゼンチンに対し、大会1失点という屈指の守備力、リズミカルに展開するボール回し、様々なスタイルそれぞれにしっかりと対策をとれる総合力で勝るスペインが、見事に勝ち切った。
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今大会、日本代表の毎試合分析をお願いしたリルとともに、大会を総括しながら、世界サッカーの傾向と今後、「秩序だったサッカーが勝った」とはどういうことか、そのなかで日本サッカーが現在どの位置に立ち、これからどこへ向かうべきなのかを一緒に考えてもらった。
世界のレベル差は縮まってきている
「まず今大会で改めて感じたのは、世界のレベル差はさらに縮まってきているということです。カーボベルデやコンゴといったチームは最たる例で、彼らが魅せてくれた勇敢で素晴らしいサッカーはとても印象的でした。戦力的に劣っていても、組織的に守り、攻撃の手段を失わなければ、常に競争力を保てる。全てのチームでということではないにしても、多くのチームが証明していました。
もう一つとてもポジティブに感じたのは、どの国もちゃんと『サッカーをしよう』としていた点です。闇雲にロングボールへ逃げるだけではなく、自分たちでボールを動かして解決策を探そうとしていました。だから、試合の大部分で長いラリーが続くだけみたいな試合はほとんどなかったと思うんです。
