
ソウル市城北区提供(c)news1
【07月26日 KOREA WAVE】1990年代、インターネットは一部の専門家だけが扱う技術だった。インターネットを使えること自体が競争力だった時代だ。しかし、学校や公共機関、家庭へ急速に普及し、活用能力は特別な技術ではなく、誰もが身につけるべき基本的な素養となった。人工知能(AI)も今、同じ転換点に立っている。
現在の競争力は、どれだけ多くの知識を持っているかより、必要な情報をいかに早く探し出し、AIを使って新たな価値を生み出せるかに左右される。反対に、AIに触れる機会が少なく、使い方を学べなかった人は、同じ出発点に立っていても後れを取る可能性がある。
問題は、こうした格差を個人の努力だけで解消することが難しい点だ。韓国社会ではすでに、親の所得や資産が子どもの機会を左右している。韓国銀行の研究でも、親の所得と資産が多いほど、子どもの所得と資産も多くなる傾向が示された。こうした現実の中で、AIは既存の格差を縮小するどころか、さらに広げる恐れがある。
AIの活用格差は、単に技術を扱えるかどうかだけの問題ではない。生産性や就職競争力、さらに所得の差にもつながり得る。
だからこそ、AIへのアクセスを広げる政策は、単なる技術支援ではなく、機会へのはしごを設ける取り組みに近い。ソウル市の「青年AIはしご」も、こうした問題意識から始まった。ChatGPTやGeminiなどの生成AIを体験し、活用法を学べるよう支援することで、誰もがAIによる機会を得られるようにする試みだ。
もちろん、AI教育だけですべての不平等が解消されるわけではない。質の高い教育や雇用、住居、資産形成の機会も併せて支える必要がある。しかし、AIを学び活用する機会まで経済状況によって左右されるなら、将来の格差は現在よりさらに拡大しかねない。
技術は、それ自体で機会の平等を保障するものではない。同じ技術でも、ある人には飛躍の足場となり、別の人には越えがたい壁となる。
時代が変わるたび、新たなはしごを設けることは社会の役割だった。工業化の時代には教育が、情報化の時代にはインターネットがその役割を果たした。AI時代には、AIを活用する機会と能力が新たなはしごにならなければならない。
インターネットが誰もが使う基本的な道具になったように、AIもいずれそうなるだろう。重要なのはAI技術がどれほど発展するかではなく、どれほど多くの人がその機会を共に享受できるかだ。【news1 シン・ゴヌン社会政策部次長】
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
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