FIFAワールドカップ2026準決勝、スペイン対フランス。世界中が注目した大一番は、2-0でスペインが16年ぶり2度目の決勝進出を果たした。一方、W杯優勝の大本命と見られたフランスとしてみれば機能不全に陥り、点差以上の完敗を喫する結末となった。
無得点に終わったエムバペがイラ立ち、デンべレ、オリーセらのタレント軍団がスペインのゲームコントロールの前に無力化された〈異変〉。テレビ中継では見えない「ピッチサイドの感覚」とは。試合を撮影した松本輝一カメラマンに聞いた。
フランスが「何もできなかった」90分間
――試合全体を振り返って、まず率直な感想を聞かせてください。
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「前半はスペイン、後半はフランスが攻めてくるポジションに座っていました。なので前半はフランスの攻撃は反対側だったんですが何本か、フランスのカウンターで一気に持っていく場面、〈一発で決め切りそうな雰囲気〉自体はあったんですよね。
でも後半は……正直、想像以上でした。スペインが完璧な守備から攻撃に移行する形が続いて、フランスが流れをつかめないまま終わってしまった。選手が代わっても、何一つ変わらなかったという印象です」
――戦前は「フランスを倒せるのはスペインでは」という予想はありましたが、ワールドクラス揃いのアタッカー陣があれほどまでに封じ込まれるとは想像しませんでした。
「スペインのパス回しは、なぜあんなにプレッシャーのかかるエリアで、なぜそこまで落ち着いて出せるのかと思う場面が何度もありました。焦ってプレーするという印象がほぼなかった。エムバペがボールを奪いに行かなければならない場面が増えてきたとき『ああ、完全にスペインが試合を掌握したな』と感じましたね」
“頭を抱えたエムバペ”が象徴的だった
――エムバペは試合終盤、テレビ中継ではイラ立っていたように見えました。表情の変化は、現場でどのように見えていましたか。
「じつは2点目を取られるまでは、まだ余裕がある表情だったんですよ」
――そうだったんですか。
