ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.07.18 10:46

「西欧最後の障壁」として残っていたスペインと英国領ジブラルタルの間の国境検問所が15日午前0時(現地時間)に完全に撤去され、118年の歴史に幕を閉じた。

英ガーディアン紙は同日、「ジブラルタルとスペインを隔ててきた陸路の国境管理を公式に廃止する条約が発効した」とし「障壁が消えると、ジブラルタルとスペインの双方で歓迎の声が沸き起こった」と報じた。今回の措置は、2020年のブレグジット(英国の欧州連合離脱)以降、英国・スペイン・欧州連合(EU)が続けてきた交渉の成果だ。昨年6月に陸路検問を廃止する内容の合意があり、今回、条約が発効したことで、ジブラルタルは事実上、欧州の国境なき移動体系「シェンゲン地帯」に編入された。

ジブラルタルはスペインが位置するイベリア半島の最南端に位置する。人口は約4万人、面積は約6.8平方キロメートルにすぎないが、地中海の入り口を管制できる戦略的要衝だ。海の向こうのアフリカのモロッコまでの距離が約14.5キロメートルにすぎず、欧州とアフリカをつなぐ関門の役割もしている。このためジブラルタルは数世紀にわたり欧州列強の利害関係が衝突する領有権紛争の舞台となってきた。

ジブラルタルが英国領土となったのは18世紀初頭のことだ。1704年、スペイン継承戦争の混乱の中で英国はオランダとともにジブラルタルを占領した。その後、1713年に戦争を終結させるユトレヒト条約が締結され、スペインはジブラルタルを英王室に永久に割譲することになった。それから300年以上の歳月の間、英国とスペインの文化が融合し、イギリス英語とアンダルシア地方のスペイン語が混ざった「リャニート」という独特な方言が生まれるなど、ジブラルタルならではの固有の文化も定着した。

ジブラルタルは英国政府が派遣した総督が名目上の国家元首の役割を担っているが、実質的な統治は議会で選出された首長が率いる自治政府が担当する。外交・国防を除く大部分の分野で広範な自治権を行使し、事実上、独自の政治・行政体系を運用している。

経済的にも欧州を代表する高所得地域に挙げられる。2024年基準の1人あたりの国内総生産(GDP)は約6万1700ドル(約1000万円)にのぼる。大西洋と地中海を結ぶ海運の拠点であるだけでなく、低い税率とビジネスがしやすい環境を背景に1万5000社を超える企業を誘致している。

一方、ジブラルタルと国境が接するスペイン南部のアンダルシア地方はスペイン国内でも失業率が高く、経済的に停滞している地域だ。このため約1万5000人のスペイン住民が国境を越えてジブラルタルで働き、生計を立てている。通勤・退勤の時間帯になるたび国境検問所に行列ができるのが日常の光景だ。

国境の開放は通勤労働者にとってうれしい知らせだ。ジブラルタルと経済的に密接に結びついている周辺地域の商業圏にも好影響を与えると期待されている。国境に接するスペインの都市リネア・デ・ラ・コンセプシオンのフアン・フランコ市長は「我々の市の企業は通常、収入の3分の1ほどをジブラルタルの顧客から得ている」とし、国境開放を歓迎した。

英国内では今回の国境開放がジブラルタルをめぐる領有権対立を緩和するという期待がある。現在、国際社会は英国のジブラルタル統治を認めているが、スペイン政府は18世紀以降、一貫して領有権を主張してきた。ただ、ジブラルタルの「英国としてのアイデンティティ」が弱まるのではという懸念も同時に浮上している。スペインとの往来が自由になることで、ジブラルタルがスペインの経済圏や生活圏に組み込まれていくという主張だ。

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