ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.07.15 10:46

2026年北中米ワールドカップ(W杯)で準決勝に進出し、大会2連覇へさらに一歩近づいた「ディフェンディングチャンピオン」のアルゼンチンをめぐり「不公平判定」という声が出ている。ソーシャルメディア(SNS)上では、アルゼンチンが今大会でビデオアシスタントレフェリー(VAR)と国際サッカー連盟(FIFA)による最大の恩恵を受けたという批判が相次いでいる。これを皮肉って同国の英語名(Argentina)を入れながら「VARgentina」や「FIFAtina」という表現までが広まっている状況だ。

ロイター通信は14日、元FIFA審判員のインタビューを交えながら、「新たなVARプロトコルの導入がW杯の公平性に対する大衆の認識という火薬庫に火を投げ込む結果となった」とし「アルゼンチンをめぐる新たな判定論争がファンの不満に火をつけた」と報じた。

◆エンボロ退場判定で論争…「VARが競技自体を再び判定」

ロイター通信はアルゼンチンとスイスの準々決勝で見られたブレール・エンボロの警告累積による退場シーンを代表的な事例に挙げた。

後半27分、エンボロはアルゼンチンのレアンドロ・パレデスとの競り合って転倒し、主審は当初パレデスにイエローカードを出した。

しかしVAR(ビデオアシスタントレフェリー)と交信した後、オンフィールドレビューを行った主審は、エンボロがシミュレーションで反則を誘ったと判断した。これを受け、パレデスの警告を取り消し、エンボロにイエローカードを提示した。

すでに一度警告を受けていたエンボロは警告累積で退場となり、スイスは数的劣勢の中で試合を続けることになった。結局、スイスは延長戦後半に2失点して1-3で敗れ、準決勝進出を逃した。

今回の判定は、今大会で初めて導入された「選手誤認に関する規定」に基づく新しいVARプロトコルが適用された事例だった。

英国ITVのW杯解説者で元FIFA審判員のクリスティーナ・ウンケル氏は「この規定はそもそもこのような形で適用されるべきではなかった。適用範囲が広すぎる」と指摘した。

続いて「単にカードを出す対象(選手)を入れ替えるだけでなく、一方のFKだったはずの判決を完全に覆し、真逆の判定を下したことになる。判定の根本自体が変わってしまった」とし「VARはこれまで避けようとしてきた『競技再判定』の領域に公式的に足を踏み入れてしまった」と話した。

また「十分なテストもなく実際にどのような結果をもたらすのか検証されていないプロトコルを拡大適用したのは、いつ爆発するか分からない火薬庫のようなものだ」と語った。

◆メッシのエジプト戦も俎上に…元審判「ファンの信頼が完全に崩れた」

こうした論争が続くなか、一部のファンはアルゼンチンを「VAR(ヴァル)ゼンチン」と呼んで皮肉っている。

不公平判定疑惑は1次リーグJ組のアルジェリアとの第1戦から浮上した。

アルジェリアは0-3で敗れた後、アルゼンチンの主将リオネル・メッシが前半に相手選手のふくらはぎを踏んだ時点で退場処分(レッドカード)になるべきだったと主張したが、認められなかった。メッシはこの試合でハットトリックを達成した。

16強のエジプト戦でも論争は続いた。エジプトはゴールがVAR判定の末に取り消され、PK要求も認められないまま敗戦を喫した。

ただ、ウンケル氏は「試合が思い通りに進まないと、どうしても判定のせいにしがちだが、先の2試合に関しては明白な誤審と見なせるようなシーンはなかった」とし「ただ、FIFAはピッチ外の行政的な問題によってファンの不信感を強めた」と評価した。

ウンケル氏は、米国代表のFWフォラリン・バログンが退場で1試合出場停止処分を受けたが、トランプ米大統領とインファンティーノFIFA会長の電話後に1年間猶予された事例を代表的な例に挙げた。

ウンケル氏は「ファンの信頼は完全に崩壊した。審判として多くのメジャー大会を見てきたが、SNSでここまで論争が激しくなったのは初めてだ」と強調した。

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