(CNN) 国連は14日、今年6月は2022年4月以降でウクライナの民間人の死者数が最も多い月になったと発表した。激しさを増すロシアの攻撃の影響で、前線から遠く離れた都市でも壊滅的な被害が出ている現状が浮き彫りになった。
国連ウクライナ人権監視団(HRMMU)によると、6月に死亡したウクライナの民間人は少なくとも293人。今年に入ってからの民間人の死者数は1400人近くに達した。前年の同じ時期に比べ37%増え、24年の同時期と比較すると2倍以上に当たる。
HRMMUのダニエル・ベル代表は6月の死者数について、「民間人の犠牲者が積み重なり、事態の悪化に歯止めがかからない憂慮すべき傾向を示している。背景には、人口密集地の都市部で使用されると特に致命的になる強力兵器の使用がエスカレートしていることがある」と指摘した。
HRMMUによると、死者増加の要因として大きいのは、ドニプロやオデーサ、首都キーウなどの都市の住居ビルに向けて発射されているロシアの長距離ミサイルだという。
国連によると、今年1月~6月の長距離兵器による民間人の死傷者数は、25年の同じ時期に比べて60%増加した。
ウクライナ当局は、ロシアの弾道ミサイルの迎撃に苦慮している現状を繰り返し訴えてきた。欧州の支援国にミサイル防衛システムの強化支援を要請するとともに、ロシアの弾道ミサイルを阻止可能な「パトリオット」用迎撃ミサイルの生産許可を得るため、米国への働きかけを強めている。

ロシアによるミサイルやドローン攻撃の最中、爆発が空を照らす様子=ウクライナ首都キーウ/Gleb Garanich/Reuters
国連によると、前線に最も近い地域では、26年の民間人死傷者の大半が短距離ドローン(無人機)によるものだという。
ベル氏は、こうしたドローンが前線付近に住む民間人の「環境を一変させた」と指摘する。
「食料品の買い物や犬の散歩、サイクリング、庭仕事、安全な場所への移動といった日常的な用事を済まそうとしているだけなのに、まるで短距離ドローンに狩られているようだという感覚を口にする人が多い」(ベル氏)
ロシアによる容赦ない攻撃がもたらす人道的な被害は、今もクライナ各地に深刻な影を落としている。地方自治体の数字に基づくCNNの集計によると、7月前半の攻撃でこれまでに少なくとも240人の民間人が死亡、1904人が負傷した。
