
フランスの山岳地帯にあるメルカントゥール国立公園から、ポーランドのスウォヴィンスキ国立公園の砂丘まで、ヨーロッパは国立公園の宝庫で、あらゆる旅行者の好みに合う風景がどこかにある。(WESTEND61, GETTY IMAGES)
この記事は『ナショナル ジオグラフィック トラベラー(UK)』により制作されました。
最新の統計によると、ヨーロッパには400をはるかに超える国立公園がある。北部の森林に覆われた山から南部の沿岸湿地帯に至るまで、極めて多様な景観と生息環境が広がっている。
それらの国立公園には、数え切れないほどの驚きが隠されている。ほかに類を見ない体験ができる公園、人気スポットに比べてトレイルを歩く人が少ない公園など。
フィンランド最大の湖に浮かぶ島々をカヌーで巡りたい人、ポーランド中央部の広大な砂丘を散策したい人、カナリア諸島の原生林を探検したい人――。あなたにぴったりの国立公園がきっと見つかるはずだ。
エクスムーア国立公園
場所:英イングランド
おすすめ:英国の野生生物
面積:約700平方キロ

英国のエクスムーア国立公園は夏の間、野花が咲き乱れ、鮮やかなピンク色に染まる。(ADAM BURTON, ALAMY)
英国のサマセット州とデボン州にまたがり、丘陵と荒野で構成されるエクスムーアは、かつて王室の狩猟地だった。また、英国で最も訪問者が少ない国立公園の一つでもある。その谷は深く狭く、荒野は広大で、森には古代の樹木や希少な大西洋岸雨林が息づき、険しい海岸線にはイングランドで最も高い海食崖がそびえ立つ。
長めの週末休暇であれば、サマセット州のポーロックとデボン州のコム・マーティンという2つの村を結ぶ起伏に富んだ海岸沿いの小道(全長約40キロ)を歩くのがおすすめだ。野生のヤギが草をはむバレー・オブ・ロックス、かつて密輸に使われていた入り江のヘドンズ・マウスを巡ることができる。
長期滞在であれば、中世の町ダンスター、エクスフォードの中心部、あるいは荒野の頂上にあるウェドン・クロスを拠点に、エクスムーアの野生生物を探してみるといい。公園には約3000頭のアカシカに加えて、絶滅危惧種のエクスムーアポニー、そして、さまざまな鳥類が生息している。(参考記事:「求愛の秋を迎えるアカシカのオス」)
観光会社のレッド・スタッグ・サファリでは、ランドローバーで奥地を巡るツアーを開催している。春と夏は子ジカ、秋は発情期のシカ、冬はコミミズクと出合えるかもしれない。
リンナンサーリ国立公園
場所:フィンランド
おすすめ:水上アクティビティー
面積:約100平方キロ
ギャラリー:バードウオッチングやトレッキング、カヌーなどを楽しめるヨーロッパの国立公園 写真8点(写真クリックでギャラリーページへ)

ネイトブオリ山はフィンランドのサイマー湖を見下ろす絶景スポット。サイマー湖はカヤックで巡ることもできる。(VISIT SAIMAA)
フィンランドが「世界で最も幸せな国」に何度も選ばれている理由はいくつかある。その一つは、リンナンサーリのような雄大な自然と国民との深い結び付きだ。
この国立公園は、広大なサイマー湖に浮かぶ130以上の島から成る群島だ。そこにはシラカバとマツの森が広がり、林床にはハーブやベリーが自生し、樹冠にはミサゴをはじめとするさまざまな鳥が暮らす。世界で最も希少な哺乳類の一つであるサイマーワモンアザラシが、沖の岩場で日光浴をしている。
体験の大きな部分を占めるのが水上アクティビティーだ。狭い水路でのパドルボード、カヌーによる島巡り、広い水域でのセーリング、湖岸での水浴びなど、その内容は多岐にわたる。湖畔にある村のオラビが中心地で、ボートの手配や用具のレンタル、ツアー予約などができる。(参考記事:「サウナーの聖地、フィンランド式サウナの魅力と由緒正しい入り方」)
3~4日かけて探索するのがおすすめだ。旅行会社のリージェント・ホリデーズでは、ハイキングやアザラシ観察クルーズ、自然遊泳を含む4泊の夏のツアーを用意している。
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