2026/07/07

北海道は昨年10月、「HOKKAIDO洋上風力産業推進ネットワーク」を設立し、今年度から本格的に動き出す。産官学で構成するもので、道内の洋上風力発電事業の情報共有や企業の参画を促すのが目的だ。導入・供給・立地のすべてにおける北海道の強みを発揮して洋上風力の拡大を目指す。
参加企業への情報提供や
ビジネスマッチングを実施

北海道の案件形成状況(出典 北海道)
HOKKAIDO洋上風力産業推進ネットワークの代表には、北海道の鈴木直道知事と経済産業省北海道経済産業局長が就任した。幹事は北海道経済連合会や北海道商工会議所連合会、北海道市長会の代表などが務める。
北海道内の洋上風力産業に関連する企業、経済・業界団体、教育機関、行政などが連携し、洋上風力関連産業の立地や洋上風力関連産業への道内企業の参入に向けての情報交換や交流の場を創出し、北海道における洋上風力発電関連産業の振興を図る。
会員としては、①洋上風力関連産業への参入意欲のある道内企業・団体、②洋上風力関連企業(発注側は道内に拠点が存在する企業・団体)、③洋上風力関連産業の集積促進に協力する行政機関、金融機関、教育機関、団体、行政の支援機関などで構成する。

北海道の企業立地優遇制度(出典 北海道)
北海道経済部GX推進課では「日々会員数が変化しているため、数字の公表は控えている」としており、多くの関心を集めている様子がうかがえる。事業内容は、 ①国や支援機関などが実施する取り組みや、道内事業者の参入意欲の喚起、参入可能な技術・設備の情報共有、②マッチングの促進など、国や道、関係市町村や支援機関などが実施する各種支援策との連携促進、国や道、関係市町村や産業支援機関などが行うGX産業の集積に向けた立地促進施策との連携の促進を図る。
当面は、道内企業が洋上風力産業への具体的な参入イメージを持てるよう、メールマガジンなどで国や支援機関などが実施する取り組みに関する情報を提供していく予定。ちなみにネットワークへの参加 ・脱退は自由で、会費・負担金などもない。参加企業は無料のメールマガジンによって国や支援機関などの取り組みに関する情報が入手できる。また、首都圏などから風力発電関連の企業を招いて道内企業とのビジネスマッチングを実施して、サプライチェーン参入のきっかけづくりを進めていく方針だ。

国内最高のポテンシャル
産業用電力需要も大幅に増加へ

国内の地域別ポテンシャル(出典 北海道)
北海道沖では、松前沖と檜山沖2海域が2025年7月に道内で初めて促進区域に指定され、第4ラウンドで事業者の公募が行われる。さらに、島牧沖、岩宇・南後志地区沖、石狩市沖の3海域が有望区域に、浮体式では島牧沖、岩宇・南後志地区沖の2区域が準備区域に整理されている。
北海道沖は、風況では着床式、浮体式ともに国内最大のポテンシャルを持ち、さらに沖合のEEZ(排他的経済水域)にかけても風況は良好だ。洋上風力発電における40年の導入目標30~45GWのうち、北海道は10~15GWと全体の約3分の1を占めている。
日本の洋上風力発電は建設コストの高騰という大きな問題に直面しているが、北海道では「政府による公募制度の見直しを含めた事業環境整備が年内をめどに一定の整理がなされるものと認識」(北海道経済部GX推進課)し、さまざまな政策措置による事業性の確保に期待している。

北海道の再エネ需要動向(出典 北海道)
北海道内では、再エネ由来の電力を活用した最先端のナノテクノロジーによる次世代半導体の量産を目指す工場や、国内最大規模のAIデータセンターの立地が進み、産業用電力需要が大幅に増える見込みだ。また、企業立地への支援やGX税制優遇制度が充実していて、それに加えて新たに道内のネットワーク組織も設立されたことから、洋上風力の導入・供給・立地のすべてにおいて強みがある」(北海道経済部GX推進課)として、洋上風力関連産業の立地を進める考えだ。

DATA
HOKKAIDO洋上風力産業推進ネットワーク設立について
HOKKAIDO洋上風力産業推進ネットワーク
取材・文/宗 敦司
