2026/06/26 19:31 (2026/06/27 10:22更新)
保存して後で読む
スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)
ワールドカップ(W杯)北中米3か国大会は25日(日本時間26日)、1次リーグ第3戦が行われ、F組の日本(世界ランキング18位)はスウェーデン(同38位)と1―1で引き分けた。チュニジア(同45位)を破ったオランダ(同8位)が1位、日本が2位、スウェーデンが3位で1次リーグを突破した。(世界ランキングは11日時点)
「あんなにでかくなるとは…」
スウェーデン戦の試合終盤、GKの鈴木
彩艶(ざいおん)
選手(23)が好セーブを連発した。身長1メートル90、体重100キロの堂々とした体格と高い身体能力を生かした守備で、最少失点で乗り切った。
中学生時代の鈴木選手と杉尾さん(左)=杉尾さん提供
「あんなにでかくなるとは思わなかった」。そう笑うのは、中学時代の鈴木選手を指導した杉尾一憲さん(40)(浦和ジュニアユースGKコーチ)だ。
ガーナをルーツとする父と日本生まれの母の間に生まれた鈴木選手。Jリーグ・浦和レッズの下部組織に加入した小学生の頃から手足が長く、シュートへの反応も良かった。ただ、クラブにはプレー以外に心配なことがあった。
中学入学時の身長が約1メートル70だった鈴木選手について、クラブが両親の身長などから算出した将来の予想身長は1メートル80前後。GKは身長が大きいほどカバーできる範囲が広がり、ハイボールへの対応なども有利になる。「何もしないより、何かした方がいい」。杉尾さんが鈴木選手に提案したのは、身長を伸ばすために休養を増やすことだった。
前半、CKからのボールをパンチングで防ぐGK鈴木彩(手前左)(25日)=吉野拓也撮影
チーム練習が週5日の中、中学1年の終わりから鈴木選手だけ休養日や、軽めのトレーニングだけで帰らせる日を設けた。チーム内には「平等ではない」という反対意見も出たが、杉尾さんは「平等ではトッププレーヤーは生まれない」と他のスタッフを説得した。
一方の鈴木選手は、練習開始1時間前にグラウンドに来て、自主練習してからチーム練習に臨むぐらいの練習好き。身長が求められることは理解しつつも、「ポジション争いで差が広がるのではないか」と不安を感じていたという。
結果的に、中学卒業時に1メートル80を超えた鈴木選手は、16歳で浦和レッズとプロ契約を結んだ。2021年にJリーグデビューを果たすと、23年にベルギーへ渡り、24年からはGK大国イタリアのパルマで活躍している。
初めて出場するW杯の舞台で、これまでの3試合にフル出場した。「毎試合成長を感じている部分がある」と鈴木選手。ブラジル戦に向けて日本の守護神はまた大きくなる。(木口慎太郎)
あわせて読みたい
