インド政府報道情報局(PIB)は5月20日、インドの計量エコシステムが公正な取引、透明性、消費者保護、産業品質、国際競争力の強化を支えているとの概要を発表した。
計量は、長さ、重さ、体積、時間、温度などの単位や測定機器に共通の標準を定める測定科学であり、法定計量は公共保護と公正な取引のため、重さや測定の正確性と信頼性を確保する制度である。PIBは、5月20日の世界計量記念日に合わせ、今年のテーマである「政策立案における信頼の構築」を踏まえ、証拠に基づく透明なガバナンスにおける計量の役割を強調した。
インドでは、種子、穀物、身体寸法、数学的比率に基づく古代の度量衡が、商取引や課税、農業、宝飾品製作などに用いられてきた。近代の制度は、1947年設立の国立物理研究所(NPL)を基盤に発展し、1956年と1976年の度量衡標準法を経て、2009年法定計量法が制定された。同法は2011年4月1日に施行され、メートル法と標準単位の採用、計量・測定機器の検定と刻印、包装商品の数量や最大小売価格(MRP)などの表示、非標準・未検定機器への罰則を定めている。
同法の対象は、店舗の計量機、包装食品や医薬品、燃料供給機、水道・電力メーター、体温計や血圧計などの医療機器、通信・デジタルサービス、電子機器・半導体製造に及ぶ。2023年ジャン・ヴィシュワス法では一部違反の禁錮規定を金銭的罰則に置き換え、2026年法では初回の手続き不備に改善通知を導入し、特に零細・中小企業(MSMEs)の遵守負担を軽減する改革を盛り込んだ。

近代計量制度の変遷
(出典:PIB)
政府は、法定計量の登録を全国でオンライン化するeMaapポータル、インド標準時(IST)をミリ秒からマイクロ秒精度で全国配信する「一国一時刻」構想、国際法定計量機関(OIML)の承認証明書を発行する権限を通じ、透明性と貿易円滑化を進めている。2027年7月1日から電子商取引で有効となる原産国表示規定も、消費者中心の計量制度の構築を後押しする。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
