インド科学技術省(MoST)は5月19日、ガウハティ大学、インド宇宙物理学研究所(IIA)などの研究者らが、褐色矮星を伴う青色はぐれ星を極めてコンパクトな連星系で世界で初めて確認したと発表した。研究成果は学術誌Monthly Notices of the Royal Astronomical Society: Lettersに掲載された。

発見されたコンパクト連星系の想像図

青色はぐれ星は、星団内で主系列転向点より明るく青く見える恒星である。星団内の恒星はほぼ同じ年齢と考えられるため、標準的な恒星進化では説明しにくく、天文学者を長く悩ませてきた。

インド科学技術庁(DST)のINSPIREプログラムの支援を受けたガウハティ大学、IIA、アリャバッタ観測科学研究所(ARIES)、イタリアのINAFカターニア天体物理観測所の研究者らは、散開星団における青色はぐれ星の形成を調べ、亜恒星天体である褐色矮星を伴う連星系を確認した。

研究チームは、ガウハティ大学のアリ・ハサン・シェイク(Ali Hasan Sheikh)氏、ビマン・J・メディ(Biman J. Medhi)教授、INAFカターニアのセルジオ・メッシーナ(Sergio Messina)博士、IIAのアンナプルニ・スブラマニアム(Annapurni Subramanium)教授とラム・サガル(Ram Sagar)教授、ARIESのニーラム・パンワル(Neelam Panwar)博士らで構成される。系の公転周期は約5.6時間(0.234日)と非常に短く、伴星の質量は太陽の約0.056倍で水素燃焼限界を下回る。青色はぐれ星の周囲で検出された伴星としては最軽量である。

この系は、恒星近傍の褐色矮星伴星が極めてまれとされる「褐色矮星砂漠」で見つかった連星系の中でも、周期が最も短いものの一つである。褐色矮星は、惑星と呼ぶには重すぎる一方、恒星として輝き始めるには小さすぎる天体とされる。研究者らは、内側に褐色矮星を含む連星と外側の進化した第三星からなる三重星が、質量移動や古在・リドフ振動、合体、潮汐散逸を経て、現在の短周期で円形軌道の連星になったとみている。成果は恒星進化、連星相互作用、亜恒星天体の理論モデルの精緻化に役立つ。

(出典:いずれもPIB)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

Share.