
韓国の株式市場が、時価総額ランキングでインドを上回り世界6位の規模に達しています。 ブルームバーグの集計によると、韓国上場企業の時価総額は年初から約86%増加し、5兆ドル(約800兆円)規模に拡大しています。 一方、インド市場の時価総額は4.8兆ドル程度とされ、韓国との差が生じています。
この順位変動の背景には、人工知能(AI)向け需要を取り込んだ半導体関連株の急伸があります。サムスン電子とSKハイニックスがAIメモリー半導体分野で存在感を高めた結果、韓国の株式市場全体の評価を押し上げています。 KOSPIは年初来で100%を超える上昇となり、今年に入ってから韓国の市場規模はカナダ、ドイツ、英国、フランスなどを次々と上回りました。
一方のインド株式市場では、エネルギー価格の上昇や通貨ルピー安の影響を受け、外国人投資家の資金が流出する局面が続きました。 2025年には、海外投資家による売り越し額が年間ベースで過去最高を記録したとされ、需給面の逆風が時価総額の伸びを抑えた格好です。 ただ、インド経済の成長率自体は依然として高水準と評価されており、中長期的な市場拡大余地は大きいとの見方もあります。
韓国が時価総額でインドを上回ったことで、アジアの株式市場におけるプレゼンスの構図にも変化が生じています。AI半導体を軸にした韓国市場の急拡大と、海外マネーの動きに左右されやすいインド市場という対比が、世界の投資マネーの視線を集めています。
半導体2社の「1兆ドルクラブ」入りと市場の持続性
韓国株式市場のランキング上昇を象徴するのが、サムスン電子とSKハイニックスの動きです。サムスン電子は、AIサーバー向けメモリーや高帯域幅メモリー(HBM)の期待を背景に株価が上昇し、時価総額は1兆ドルの大台を突破しました。 世界全体の企業ランキングでも上位グループに入り、韓国市場を代表する銘柄として位置づけが一段と明確になっています。
SKハイニックスもAIブームの恩恵を受け、2026年5月の取引で時価総額が約1兆800億ドルに到達し、「1兆ドルクラブ」入りを果たしました。 株価は1年で約9倍に達したとされ、AI向けメモリー供給の重要性が投資家に強く意識されています。 サムスン電子とSKハイニックスの2社だけで、中国の大手インターネット企業2社の合計時価総額を上回る規模に達したとの指摘もあります。
半導体大手の急伸により、韓国の有価証券市場と新興企業向け市場を合わせた時価総額は6,000兆ウォンを超え、「バフェット指数」(株式時価総額の名目GDP比率)は200%を上回る水準に達しました。 株価水準をめぐっては、企業収益の拡大ペースと比較した場合の割高感や、相場過熱を警戒する見方も出ています。
他方で、市場全体の上昇が半導体2社に強く依存している構図も鮮明になっています。ガバナンス改革や、非半導体セクターの競争力強化をどこまで進められるかが、高い時価総額を持続する条件として意識されています。 また、インド側では海外投資家の資金動向が2026年に入って徐々に改善しつつあるとの分析もあり、長期的には再び順位が入れ替わる展開も排除できません。
AI半導体ラリーが続くかどうか、そして韓国とインドそれぞれが構造改革と成長戦略をどこまで具体化できるかによって、世界の株式市場地図は今後も変化していく可能性があります。
