Blackmagic Designの発表によると、メキシコのポストプロダクションスタジオ、Anónima Postが、Cintel ScannerおよびDaVinci Resolve(編集/カラーグレーディング/VFX/オーディオプロダクション用ソフトウェア)を使用して、1940年代のメキシコ映画の復元作業に取り組んでいるという。

Anónima Postは、2016年に監督兼カラリストのエドガー・フローレス氏によって創設され、メキシコシティーで映画やコマーシャルなどのプロジェクト向けに、ポストプロダクションおよび復元サービスを提供している。フローレス氏、マスター修復アーティスト、オンラインエディターで構成される同スタジオのチームは、フィルム自体の復元に加え、多数のメキシコ映画のカラー復元も手がけている。過去数年にわたりDaVinci Resolveを多用していたフローレス氏にとって、Anónima Postとそのプロジェクトで同ソフトウェアおよびDaVinci Resolve Micro Color Panelを採用するのは当然の流れだった。

Anónima Postの最新プロジェクトには、1978年のガブリエル・レテス監督によるメキシコ映画「Nuevo Mundo(原題)」がある。このプロジェクトでは、Cintel ScannerとDaVinci Resolve Studioを使用して、オリジナル編集の再構築とカラーグレーディングの復元が行われた。

フローレス氏は次のようにコメントしている。

フローレス氏:このプロジェクトは独特でした。というのも、この映画は1976年にアナモフィックレンズで撮影された35mmカメラのオリジナルネガから復元したからです。リサーチの過程で、当時の上映用プリントで作品を視聴する機会が得られました。その結果、カメラのオリジナルネガの編集は、視聴した上映用プリントと異なることが分かりました。当時の監督が、より商業的な別バージョンを作成していたことに気づいたのです。その商業的なバージョンの復元を終えたとき、私たちは次のステップとして、監督のオリジナル編集の再構築に取り組み始めました。

これを行う上で、Anónima Postは編集の足りない部分のオリジナルネガを見つけることができなかったため、当時の3本のポジプリントを使用した。

フローレス氏:ポジプリントの各リールをオリジナルのラッシュのように扱って、Cintel Scannerで取り込みました。各リールには、タイムコード、リールおよびプリント番号、映像の数など、Cintelで生成したメタデータも記録されています。

その後、先に復元されていた劇場公開版に、当時のポジプリントからの映像を組み込むことで、オリジナル編集が再構築された。これにより、復元済みのカメラオリジナルネガと、復元したプリント素材を組み合わせたバージョンが完成した。Anónima Postはさらに、復元版に自然に組み込めるよう、復元された映像を6K解像度で再スキャンするためのEDLを生成した。

このプロジェクトで難しかった点についてフローレス氏は次のようにコメントしている。

フローレス氏:問題は、カメラオリジナルネガのカラーグレーディングを、当時のポジプリントの独特な色劣化と可能な限り一致させることでした。ポジプリントは上映用プリントで、個体によって程度の異なる物理的な劣化がありました。

Cintelがリアルタイムのデータ転送に対応しているのは大きな利点でした。ポジプリントのオーディオを同時に取り込めたので、3本のポジプリントの物理的な損傷を個別に把握できました。このデータがあったことで、映像、カラー、サウンドに関するデジタル復元プロセスのワークフローを細かく詰めることができました。

また、各リールのデータ転送中に、Cintelのプリンターライトを使用してカラーバランス調整を行い、プリントの色をより適切に再現できました。各プリントは何年も雑に保管され、クリーニングもされていなかったので、かなり劣化していました。この工程は、各リールに対応するメタデータを生成するうえで非常に重要でした。これにより、高解像度スキャンの対象となる各フレームを正確に識別するEDLも作成できました。

Anónima Postは、ソース素材の最適な色再現と復元を実現するため、DaVinci Resolve Studioで様々なカラーワークフローのテストおよび調整を行った。その際、経年劣化の度合いはプロジェクトごとに異なるため、現代の色空間で作業を行った。

フローレス氏:スキャン素材のラティチュードを最大限に活かせるよう、私たちは常に非常に複雑かつ幅広いカラーワークフローを作っています。

DaVinci Resolveのおかげで、色、質感、最終的な仕上がりに関する情報を取得するための専用ツールを使用できます。私たちはすでに実績のあるワークフローを確立しており、プロジェクトごとの要件に応じて調整できます。高解像度ファイルをリアルタイムで扱えること、そして、カラー処理を、場合によっては深刻に損傷した色の復元作業とシームレスに統合できることは大きな利点です。

私たちがこれまでに手がけた仕事、特に「Nuevo Mundo」のできには誇りを持っています。この作品はフィルムアーカイブやフェスティバルで公開される予定です。70年代当時以上に、今あらためて作品に新たな命が吹き込まれています。

Anónima Postでは、今後も復元作品に加え、現代作品の分野でもさらに存在感を高め、より多くのシリーズ作品やドキュメンタリーなどのプロジェクトにも取り組んでいきたいと考えています。





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