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 オーストラリアの航空市場において、新たな航空会社設立の動きが活発化しています。欧州のライアンエアーをモデルとした超格安航空会社(ULCC)「Zinc(ジンク)」の設立構想が浮上したほか、「コアラ航空(KOALA Airlines)」も737MAXの導入を決定し、就航に向けた準備を加速させています。

 カンタス航空の元幹部であり、ジェットスターの立ち上げにも携わったしたピーター・ケリー氏が率いるZincは、現在およそ2億豪ドル(約1億4300万米ドル)の資金調達を進めています。座席指定や手荷物預かりなどをすべてオプション化するウルトラLCCのビジネスモデルを採用し、ジェットスターを下回るベース運賃の提供を目指します。運航機材はA321neoの単一機種に統一し、1機あたり244席の高密度配置とすることで座席あたりのコストを極限まで抑える方針です。Zincの戦略の要となるのが、2026年後半に開港予定の西シドニー国際空港です。スロット制約や夜間飛行禁止の規制がない新空港の強みを活かし、まずはシドニー、メルボルン、ブリスベンを結ぶ最激戦区「ゴールデン・トライアングル」に投入する計画を掲げています。

 一方、同じく2026年後半の就航を目指す新興エアラインのコアラ航空は、3機のボーイング737MAXのリース契約を締結したことを明らかにしています。Zincが主要幹線で真っ向勝負を挑むのに対し、コアラ航空は競合路線を避け、主要都市から観光地への独自のニッチ市場を切り開く戦略をとります。初号機は2026年8月頃の受領を予定しており、就航後数年内で20機体制へ急拡大させることで、スケールメリットによるコスト削減を狙っています。

 オーストラリアの国内線市場は長年、カンタス航空とヴァージン・オーストラリアの2社による強力な寡占状態が続いており、過去にはボンザやタイガーエアなどが撤退を余儀なくされた非常に厳しい環境として知られています。24時間運用の新空港を武器に主要路線で価格破壊を狙うZincと、最新鋭の737MAXでニッチな観光需要を開拓するコアラ航空。アプローチの異なる2つの新興エアラインが、厚い壁に阻まれてきた市場の勢力図にどのような変化をもたらすのか、今後の動向が注目されます。Photo : Zinc

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