
サッカーの県高校総体が、来月16日に始まる。新チーム発足から数カ月。最初の公式戦となった県高校新人大会で現在地を確認し、4月には新戦力となる1年生が加わった。各校は大会へ向けて、戦術の浸透とチーム力の底上げを図りながら、最終段階の仕上げに入っている。
本特集では、高円宮杯JFA U―18リーグ(1部)に参戦する有力校を中心に、チームの現状と強化ポイントを整理。それぞれの主力選手に、県総体へ懸ける思いと覚悟を聞いた。第3回は負傷者続出の逆境でも競争と強度で底上げした柳ケ浦が王座奪還へ挑む。
【昨年度の主な成績】
高円宮杯JFA U―18OFAリーグ2025(1部) 8位
県高校総体 1回戦敗退
全国高校選手権県予選 ベスト8
県高校新人大会 ベスト4
攻撃の核となる岩崎
2年ぶりの県高校総体制覇を狙う柳ケ浦は、逆境の中で着実に輪郭を整えている。2月の県高校新人大会の頃からは主力に負傷者が相次ぎ、本来の陣容を組めない状況が続いた。それでも有門寿監督は「誰が出ても戦力を落とさない」競争を促し、チーム全体の底上げを進めてきた。昨季のプリンスリーグ九州(2部)で味わった強度の差は、いまや日常の基準として根付いている。
今季は3バックと4バックを併用。相手や選手の組み合わせに応じて最適解を探る柔軟性が特徴だ。中でも4―2―3―1は攻撃的な色を強め、前線のスピードと後方の配球力を生かした縦への推進力を生む。キャプテンのGK外園湊心(3年)は「県で必ず優勝するという意識がプレーに出てきた」と語り、システム変更が意識改革にもつながっていることを示す。
守備の要である外園は、人としての成長でもチームを引き上げる存在だ。最後尾から絶えず声を張り、目配りと気配りで守備ラインを統率する。その姿は単なるゴールキーパーの枠を超え、ピッチ全体のバランスを整える「司令塔」として機能している。加えて、正確なキックで攻撃のスイッチを入れ、ビルドアップの起点にもなるなど、攻守両面で存在感を放つ。一方、攻撃では岩崎海翔(3年)が勝負を決める役割を担う。ゴール前での判断力と一瞬の隙を突く決定力はチーム随一。流れが停滞した局面でも、ひと振りで試合を動かす力を持つ存在だ。
同校の女子サッカー部の日本一という身近な成功例も、チームに高い基準をもたらした。「徹底こそが結果につながる」という共通認識が、ピッチ外の変化を生んでいる。「完成ではなく成長過程」(有門監督)その言葉通りのチームは、変化を力に変えながら県総体へ挑む。
【選手インタビュー】
GK外園湊心(3年)
175cm、80kg、前所属チームは中津沖代JSC

Q:ここ2年、タイトルから遠ざかっている状況についてはどう感じていますか?
そこは強く意識しています。県新人大会で準決勝で終わってからはすぐに気持ちを切り替えて、「次はインターハイ(全国高校総体)を取る」という思いでやっています。県総体は絶対に優勝したい。その気持ちはチーム全体で共有できていると思います。
Q:キャプテンとして、どのようにチームを引っ張っていきたいですか。
外試合中はもちろんですが、それ以上にピッチ外の部分が重要だと思っています。日常の行動や取り組み方も含めて、「柳ケ浦は変わった」と思われるようなチームにしたい。その意識を常に持って行動しています。
Q:どんなプレーでチームの勝利に貢献したい?
まずは失点ゼロ。ゴールキーパーとしてそこは絶対にこだわりたいです。その上で、自分のキックからチャンスを作るなど、攻撃にも関わっていきたい。アシストにつながるようなプレーも意識しています。
(七蔵司)
