子供のSNS利用を禁止する動きが世界中で徐々に広がっており、多くの国がオーストラリアに続いて、ティーンによる一部のオンラインサイトやサービスへのアクセスを禁止しようとしている。一方、子供と大人をどう確実に判別するかという課題はまだ残っている。

 欧州連合(EU)はその答えを見つけたようだ。EUの欧州委員会は現地時間4月15日、公的な身分証明書を使って年齢を証明するアプリを発表した。スマートフォン、タブレット、PCに対応するという。Ursula von der Leyen委員長は声明で、このアプリは「技術的に完成しており、まもなく市民が利用できるようになる」と述べた。

 フランス、イタリア、スペイン、ギリシャなど多くのEU加盟国は、子供を有害なコンテンツから保護し、SNSの使用を防止する法案を提案している。von der Leyen氏によると、各国はこのアプリを自国のデジタルウォレットに統合する計画だという。「このアプリは、親、教師、保護者に子供を守るための強力なツールを提供する」(同氏)

 オンライン認証という課題に取り組むのは、EUが初めてではない。2025年に英国は「Online Safety Act(オンライン安全法)」を施行し、子供が有害なコンテンツにさらされないようにする責任をインターネット企業に課した。オーストラリアはSNS禁止令を導入し、16歳未満が多くのアプリやサービスにアクセスすることを禁止した。これらの法律が施行されると、両国では年齢確認を回避しようとする人々によって、VPNアプリのダウンロード数が急増した。

 「これは、若者がシステムを不当、あるいは侵襲的だと感じた場合、回避策を見つけ出すことを示している」と、若者向け製品の諮問機関であるVysの創設者、Vaishnavi J氏は語る。SNSに関しては、人々が「意欲的で技術に精通している」ため、確認を回避しようとする動きが最も強くなるという。「技術的な意味で完璧に動作するアプリであっても、摩擦を感じる体験がユーザーにとって公平、あるいは妥当でないと感じられれば、実際には失敗する可能性がある」と同氏は述べた。

 ユーザーが年齢要件を満たしていると証明する責任をテクノロジー企業に負わせるのではなく、EUはより中央集権的なアプローチを取ろうとしているようだ。すべてのサービスで動作する単一のアプリを持つことで、人々はインターネットを利用するために一度だけ年齢を証明すれば済むようになり、サードパーティーの年齢確認サービスに関するプライバシーやセキュリティの懸念の多くが軽減される可能性がある。

 Vaishnavi J氏はメールで、公的IDを使用した「年齢認証」技術と、顔分析や行動シグナルに依存する「年齢推定」技術、そしてアカウントに紐付けられたメタデータから導き出す「年齢推論」の違いを指摘した。現在、さまざまなウェブサイトやサービスで、これらを組み合わせた手法が年齢を判断するために使われている。

 「EUのウォレットアプローチは、完全に認証の立場に立っている。これは高い精度をもたらす可能性があるが、ユーザーが政府発行の適切なデジタルIDを保有し、使用することも要求される」と同氏は述べた。「一部の国では問題ないかもしれないが、デジタルIDのインフラが未整備な欧州の一部地域では、より複雑な問題になるだろう」

 子供の安全をめぐる他の問題について、EUは個々のサービスの責任を厳しく追及している。2026年に入り、欧州委は「TikTok」に対し、EUの「Digital Services Act(デジタルサービス法)」に違反しているとして、「中毒性のある」アルゴリズムの設計変更を命じた。TikTokがこの要求に従わない場合、世界全体での年間売上高の最大6%に相当する罰金を科される可能性がある。

 「われわれは子供のウェルビーイングに関して妥協することを拒否する」と、欧州委のHenna Virkkunen上級副委員長は15日の声明で述べた。「Facebook、Instagram、Snapchat、およびSheinに対しても同様の措置を講じている。今年、4つのポルノプラットフォームに対してもすべて同じ理由で措置を講じた。子供をアダルトコンテンツから遠ざけるための適切な年齢確認ツールが備わっていないからだ」

この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。

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