
米国の100ドル札の上に韓国ウォン、中国元、日本円の紙幣。2015年12月に撮影 REUTERS/Kim Hong-Ji
[東京 8日 ロイター] – 午前のドルは158円半ばに下落した。米国とイランが2週間の停戦で合意したことで、これまでのドル買いが巻き戻された。ホルムズ海峡の航行に関する内容など合意内容にサプライズ要素があったとしてドル売り圧力が続くが、戦闘終結に向けては不安要素が残るとの声も聞かれた。
朝方に停戦合意の報道が出始めると、ドルは159円後半から急落。停戦合意やホルムズ海峡での航行に関するイラン側からの反応も報じられ始める中で158円台に下落し、一時158.30円まで下げを広げる場面もあった。
イラン情勢を巡る有事のドル買いはこれまで、為替介入への警戒感が強かった対円より、ユーロなど他通貨に対しての方が入りやすかったとみられており、巻き戻しが加速した。ユーロはドルに対して、一時1.17ドルに迫る上昇となった。
一時停戦ではなく恒久的な戦闘終結を模索していたイランと米国が「土壇場で合意点を見いだすことができたのはサプライズ」(国内金融機関の為替ディーラー)との声が聞かれる。
トランプ米大統領がホルムズ海峡の安全な航行を条件に挙げたほか、イラン側も安全な航行を保証する姿勢を早い段階で示したことなども想定以上だったとして、ドル売り圧力の強さが続くとの見方もある。
原油相場がイラン攻撃以前の価格にはすぐに戻らないとしても、「景気に悪影響を及ぼすサプライチェーンの目詰まりへの懸念はだいぶ和らぐ」(同)とみられ、株式市場を中心にリスクオンのムードが広がった。
一方、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など湾岸諸国が即座に態度を軟化させられるのかや、イランが提示した条件について米国などとどの程度折り合いがつくのかは依然として不透明でもある。
パキスタンが仲介国として土壇場で合意を取りまとめるという「ファインプレーは想定外」(前述の国内銀為替ディーラー)との声がある一方、イランはパキスタンの停戦案に合意したともしていることが「政治的な駆け引きにも読み取れる」(ステート・ストリート銀行東京支店長の若林徳広氏)との指摘もある。「合意とは言っても、双方が違うものに合意しているのではないかとの解釈も生まれ得るものだ」(若林氏)との懐疑的な見方だ。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
