ヨウムの「オリビア」(那須どうぶつ王国 栃木県那須町) 勝利を運ぶ 賢い占い師 WBCなど、今年も活躍期待

野球のWBCやサッカーW杯での日本の国旗をオリビアがくわえる回数は多いのか?

<2026 飼育員の推し!>=②

 2025年の漢字が「熊」だったように、人間と動物の関係を考えざるを得なかった昨年。今年こそは、穏やかな心で動物たちの姿に癒やされるときを過ごしたい。首都圏各地の動物園・飼育施設で、飼育員が「イチ推し」する動物が登場し、皆さんをお招きします。

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 人工芝の台の上をトコトコと歩き、設置された国旗をつまむ。どれにするか迷うように旗を落としたり拾い直したりしながら、最後に旗をつまんで飼育員の及川のぞみさん(38)に手渡す。

 那須どうぶつ王国(栃木県那須町)の占いヨウム・オリビアは、スポーツイベントの際に対戦結果を占い、注目を集める。今年は野球ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、サッカーW杯など、ビッグイベントが多い。オリビアの活躍する姿を目にすることも多そうだ。

 現在20歳のオリビアが同園に来たのは2006年。おみくじを選んで来園者に渡す新年イベントで、よく「大吉」を引いてくると話題になった。幸運とともに勝利も運んでもらおうと、14年のサッカーW杯から占いイベントを始めた。最近では、昨年の大リーグ・ワールドシリーズで、勝敗数は「4勝1敗」と実際の4勝3敗とは違ったが、ドジャースの勝利を見事に当てている。

 ヨウムは頭が良く、物覚えも良い。17年からコンビを組む及川さんは「旗を取ってくるのも、ものの数分で覚えられたと思う」と話す。聞いたままの音をまねるため、近くにいるハクトウワシの鳴き声や、車がバックする時の音を覚えたこともあった。

 この声まねの特技を生かしたバードショーでのマイクパフォーマンスがオリビアの「本業」。得意技は動物の鳴きまねで、観客の呼びかけを聞き取って答える場面もある。2〜3分の出番の中で、急に声を発して観客の笑いを呼ぶことも。及川さんは「笑いどころを分かった上でのアドリブ」と分析する。

 楽しいショーの秘訣(ひけつ)はオリビアのテンションにうまく合わせること。冷静沈着で動じる様子のないオリビアだが、ノリノリの時は跳ねるように歩くこともある。「オリちゃん」と声を掛けながら、一緒に楽しんでいる。タカやワシが観客の頭上を飛ぶ迫力ある姿がバードショーの目玉だが、オリビア目当てのリピーターも多くいる。

 ヨウムは多芸のゆえペット需要が高く、乱獲の結果、原産地のアフリカ西部では絶滅が危惧される。一方、寿命は約40年と長く、最後まで飼いきれなかったヨウムを引き取ったこともあるという。動物園のヨウムはこうした現状を訴え、保護活動を呼びかける啓発の役割も担う。

 及川さんは「いつかオリビアに合わせて、ステージで漫才をしてみたい」と夢見る。ヨウムは年齢を2倍すると人間の年齢に換算できる。その意味では、及川さんとオリビアはほぼ同年代。夢はきっといつかかなうだろう。(羽物一隆)

<那須どうぶつ王国> 鳥類を含む各種のショーでは、動物本来の能力や知能の高さを伝える。オリビアは冬季営業期間はショーを休む予定だが、3月13日からの通常営業期では登場する見込み。冬季期間の入場料は中学生以上2千円。アクセスは東北新幹線那須塩原駅からシャトルバス(予約制)、車では東北自動車道の那須高原スマートインター(ETC専用)から約15分。

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