<ブルージェイズ×マリナーズ>ワールドシリーズ出場を決めたブルージェイズ(AP)
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 カナダ唯一のメジャーリーグ球団ブルージェイズが、国全体の期待を背負って32年ぶりのワールドシリーズに挑む。米国との関係が史上最低水準にある中で、彼らの快進撃は“国の誇り”の象徴となっていると、AP通信が22日に報じた。

 ブルージェイズはア・リーグ優勝決定シリーズでマリナーズを破り、24日夜(日本時間25日)に本拠トロントにドジャースを迎える。だが、その背景にはドナルド・トランプ米大統領の「カナダを51番目の州にする」という発言で冷え込んだ米加関係がある。

 54歳のファン、ジェフリー・フルトン氏は「誰も51番目の州になんてなりたくない。アメリカに彼らの“国技”で勝つところを見せてやる」と語った。トランプ政権が関税や過激な発言でカナダの主権や経済を脅かし始めて以降、多くのカナダ人は米国旅行をボイコットしてきた。中でも「カナダを51番目の州に」との発言は最も侮辱的なものだった。

 そんな中、ブルージェイズの快進撃は国を再び一つにまとめている。トロントから3000キロ離れたカルガリーでの北米プロアイスホッケーNHLの試合でも、ジョージ・スプリンガーの逆転3ランが伝えられると大歓声が起き、テレビ中継は平均600万人が視聴。国民的関心の高さを示した。

 監督のジョン・シュナイダー(米ニュージャージー州出身)は「今はもう自分をカナダ人だと思っている。国中の人々が一球ごとに息をのむのを感じる」と語る。スプリンガーも「チーム、街、そして国のためにうれしい」と喜びを表した。カナダは今、野球を通じて国の誇りを取り戻そうとしている。

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