
移築された南砺市の古民家のたたずまいも特徴の館内=富山市水橋伊勢屋で
あいの風とやま鉄道水橋駅(富山市水橋)から歩いてすぐ。今月上旬、初めて訪れた。
「世界一かわいい」って何? だれもが気になるだろう名称。美術館を運営しているNPO法人副理事長で設立発起人代表を務めた高柳賢司(ただし)さん(74)=同市水橋田町=が教えてくれた。準備段階で「世界一小さい美術館」にしようと考えたが、県から「本当なのか証明書が必要」と言われて断念した。浅井省己(せいき)理事長(故人)らと相談したとき、隣に理事長の夫人がいたので高柳さんが「『かわいい』にしたらどうですか」と提案すると「それがいい」。これで決まった。建物でなく、愛妻が由来だ。
収蔵品は横山大観といった有名作家の日本画や掛け軸を中心に数百点。年4回の企画展で入れ替えて展示している。建物の「枠の内」は南砺市の古民家を移築。築230年の伝統的な構造も見どころ。
最近のエピソードを一つ。10年前のオープン時から「作者不詳」の絵画があった。タイトルは「葡萄(ぶどう)」。中国・上海市出身で県内在住の女性が7月に来館した際、「この絵を知っている」と調べてくれた。女性によると中国では有名な人らしい。今は作家名を紹介している。
美術館の別名は「憩いの家」。小さい建物は安らぎの空間でもある。(坂本正範)
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日曜日に連載してきた「とやまの仲間たち」に代わり、美術館・博物館などの見どころを紹介する「美ビッと探訪」、話題を掘り下げる「人まち話」のコーナーを新たに設けます。今回は「美ビッと探訪」です。
(メモ) 世界一かわいい美術館 富山市水橋出身の故浅井省己が設立したNPO法人「憩いの家 世界一かわいい美術館」が運営する私設美術館。2015年3月開業。木造平屋、延べ面積は約225平方メートル。入館料は「お気持ち」(募金)。開館は午前10時〜午後4時半。入場は午後4時まで。休館は毎週月・火曜日と、作品入れ替え期間、旧盆(8月14〜16日)。臨時休館もある。駐車場あり。オープンからの来場者は約4万人。富山市水橋伊勢屋257。(問)076(411)9817
