公開日時 2025年08月27日 05:00

緑十字機に誓う平和 不時着80年 伊江村・静岡磐田・浜松市が宣言
大会を終えて記念撮影する大会関係者ら=8月20日、磐田市上新屋の市民文化会館「かたりあ」

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琉球新報朝刊

 【静岡】1945年8月、ポツダム宣言受諾後に終戦手続きを担う日本の降伏調印使節団を乗せ、フィリピンのマニラに向かう中継地として伊江島に降り立った飛行機「緑十字機」。帰路、伊江島から再び飛び立った緑十字機は8月20日の深夜、静岡県磐田市の鮫島海岸に不時着した。史実を後世に語り継ごうと20日、「緑十字機不時着80年記念大会」(同実行委員会主催)が磐田市民文化会館「かたりあ」で開催された。
 同機にゆかりのある磐田市と浜松市、伊江村が「戦後平和の発祥地」を宣言し、恒久平和を誓った。
 緑十字機は45年8月19日、使節団を乗せて千葉県の木更津飛行場を飛び立った。中継地の伊江島で米軍機に乗り換え、使節団はマッカーサー米司令官のいるマニラに向かった。協議を終えた使節団は伊江島に戻り20日、緑十字機に乗り換えて離陸。しかし同日深夜、鮫島海岸に不時着した。目の当たりにした地元住民らは降伏文書などの重要書類を機体から運び出すなど救援・支援に当たった。使節団は浜松飛行場(現・航空自衛隊浜松基地)から重爆撃機で東京・調布に向け飛び立ち、書類を政府に届けた。
 大会には名城政英伊江村長や「伊江島緑十字機を語る会」の渡久地政雄会長らが参加。草地博昭磐田市長、朝月雅則浜松市副市長、緑十字機に搭乗した使節団の親族、不時着で救援に当たった地元住民の親族ら約700人が参加した。玉城デニー知事や鈴木康友静岡県知事のメッセージが代読された。
 名城村長は「恒久平和を願いさらなる連携を図り、緑十字機の史実を広く伝えたい」と述べた。名城村長、草地市長、朝月副市長が手をつなぎ「私たちのまちは戦後平和の発祥の地です」と宣言した。来場者はステージに向け、平和を願って紙飛行機を飛ばした。
 「伊江島緑十字機を語る会」と磐田市の「緑十字機不時着を語り継ぐ会(緑語会)」(中田智久代表)は数年前から親交を深めている。伊江島の渡久地会長は「互いに平和宣言をしたいという夢を語っていた。まさしく今日かなった」と話した。緑語会発起人の三浦晴男さんは「史実を広く伝えるために木更津、伊江、磐田、浜松、調布の5自治体で経済・観光につながるイベントをするのが夢だ」と語った。(中川廣江通信員)

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