よしずづくり 猛暑に負けず 渡良瀬産、出荷ピーク 「近年で最もいい出来栄え」 栃木市

猛暑の中、ヨシの乾燥作業に取り組む松本八十二さん=栃木市藤岡町部屋で

 栃木、群馬など4県にまたがる渡良瀬遊水地産のヨシを使った「よしず」の出荷作業がピークを迎えている。よしずは軒下や窓の外側に立てかけて使う日よけ。生産者の栃木市藤岡町部屋、松本八十二(やそじ)さん(83)方では妻キクエさん(77)とベテラン作業員ら計4人が猛暑の中、連日作業に追われている。

 「これほど暑い中での作業は60年の経験で初めて」と苦笑いする松本さん。半開放の作業所は扇風機が回るのみで、室温は40度を大きく上回る。ヨシを乾燥させる工程は日中しかできないため、水分補給と休憩を挟みながらの作業という。

 よしず作りは、冬季に収穫したヨシを乾燥、選別、皮むきし、専用の機械でヤシ科のシュロ縄を編み込んで作り、ほとんどが手作業だ。

 渡良瀬遊水地産よしずは良質で丈夫と評価され、関東を中心に出荷する。松本さん方では漁業にも使われる強度に優れたシュロ縄にこだわり、海外製の4倍の寿命があるという。製品の長さは1・8〜3・6メートル。一戸建て住宅やマンションのベランダ、学校、事業所、シイタケ栽培などに使われている。

 猛暑に悩まされる一方で今年は良質のヨシに恵まれたという。成長期の昨夏に雨が多く、台風被害もなかったため、真っすぐで強いヨシが育った。松本さんは「今年の製品は近年で最も出来栄えがいい」と胸を張った。

 作業は7月末まで続き、約4千枚を出荷する。(梅村武史)

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