ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、国内の武器生産を後押しし、ロシアの進軍を阻止するために、西側同盟諸国に年末までに約300億ドル(約4兆3200億円)の支援を提供するよう求めた。
トランプ米大統領がウクライナ支援を後退させ、ロシアのプーチン大統領との和平交渉も行き詰まっている中、ウクライナは自国の資源に頼る姿勢を強めている。だが、ゼレンスキー氏は、戦争で荒廃した経済では、投資が武器生産の拡大に必要な水準を大幅に下回っていると明かした。

ウクライナのゼレンスキー大統領
Source: AFP
ゼレンスキー氏はキーウで記者団に対し「私たちはフル稼働できていない」と述べ、不足分を埋めるには300億ドルが必要だと述べた。彼はこの金額を、ウクライナの戦争のコストについての「おおまかな見積もり」と表現した。
同氏は、ウクライナの軍事用ドローンの備蓄を1000機に増やし、ロシアに対するドローン作戦の数を1日100回から300-500回に増やす必要性を強調した。
トランプ氏の活発な外交努力が成果を上げていない中、ロシア軍はミサイルとドローン(無人機)による攻撃を強化し、今月だけで過去3年で最大級の攻撃が行われた。ゼレンスキー政権は、国内対策に焦点を移している。
ロシアが2022年に全面的な侵攻を開始してから3年以上経ち、戦闘の終結は見えず、数十億ドル規模の援助が枯渇する中、資金問題は最優先課題だ。
ゼレンスキー氏は、凍結されたロシアの資産が支援の資金源になりえると述べ、主要7カ国(G7)に取り組み強化を促す考えを示した。G7は昨年、制裁対象となっているロシア資産3000億ユーロを原資に、500億ユーロの融資パッケージを策定した。
ゼレンスキー氏は、6月にカナダ・アルバータ州で開催されるG7首脳会議に出席する予定だと述べた。同氏は、「私たちのパートナーが支援すれば、ロシアは反撃を受けるということだ。これは生産能力の問題ではない。資金調達の問題だ」と訴えた。

ウクライナの戦車(ドニプロペトウシク州で)
Source: AFP
次回協議
ロシアのラブロフ外相は28日、モスクワで開催された国際安全保障会議で、ウクライナとの次回の直接協議の日程が、間もなく発表されると述べた。ラブロフ氏はテレビで、ウクライナの中立的な地位が、平和合意に向けたロシアの重要な要求事項だと強調した。
米国、ウクライナ、その他の同盟国が次回協議の開催地として支持したバチカンを、ロシアは拒否した。ゼレンスキー氏によると、スイス、マルタなどからも開催の申し出があったが、ロシアはベラルーシを希望していると示唆した。
ゼレンスキー氏は、ウクライナは、米国がロシアに対して追加制裁を課し、プーチン氏に和平交渉に迫るよう、引き続き期待していると述べた。トランプ氏やプーチン氏との首脳会談にも、臨む準備があるとした。
原題:Ukraine Needs $30 Billion to Boost Arms Output, Zelenskiy Says(抜粋)
(ロシアのラブロフ外相の発言を加え更新します)
