米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは、米国の信用格付けを最上位から引き下げた。世界で最も信用力の高い国債発行国の信認に一石を投じる象徴的な動きとなる。
米国の債務と財政赤字の急増により、国際資本の投資先としての優位が損なわれ、政府の借り入れコストが増大するとの不安が格下げの動きに反映された。
ムーディーズは16日、米国の長期発行体格付けと無担保優先債格付けを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラス)」に1段階引き下げたと発表した。フィッチ・レーティングスとS&Pグローバル・レーティングに続き、世界一の経済大国からトリプルA格付けを剥奪した。
ムーディーズは1年余り前、米国の格付け見通しを「ネガティブ」に変更したが、今回の格下げ後の見通しは「ステーブル(安定的)」とした。
格下げの理由については「米国が持つ経済・財政の著しい強さは認識しているが、これらの強みだけで財政指標の悪化をもはや完全に埋め合わせることはできない」と認識を示した。
ムーディーズの発表後、米国債相場は下げを拡大し、10年国債利回りは一時4.49%に上昇した。

トランプ政権と米議会は、2017年に時限措置として成立した「トランプ減税」の恒久化を含む税制パッケージの協議を進めているが、歳出ペース抑制は見通せない状況だ。グローバルな「関税戦争」の影響で米景気が減速すれば、政府支出の増加に伴い財政赤字はさらに拡大が見込まれる。
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ベッセント米財務長官は今月に入り、連邦財政が持続不能な軌道にあると指摘。下院歳出小委員会での証言で、「債務の数字は実に恐ろしい」と述べ、危機に陥れば「経済が急停止し、信用が消失する」と発言。「それが起きないよう力を注ぐ決意だ」と語った。
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原題:US Loses Last Top Credit Rating With Downgrade From Moody’s (2)(抜粋)
(格付けの詳細などを追加して更新します)
