トランプ米大統領の関税ショックをきっかけに米中貿易戦争が激化する中で、インド資産が今や比較的安全だとして世界中の投資家から注目を浴びている。
MSCIインド株指数はトランプ政権が2日に大規模な上乗せ関税を発表して以後、先週末までの下落率が3%未満にとどまった。アジア株の指標MSCIアジア太平洋指数の半分程度の下げだ。
インド国債も、インド準備銀行(中央銀行)が市中銀行に流動性を供給するため金融緩和を進めたことで、世界的な国債値下がりに逆行している。

アジア3位の経済大国であるインドは、他の多くの国々よりも世界的なリセッション(景気後退)に耐えることができるとみられている。
中国政府が「トランプ関税」に対し報復措置を講じる一方、インド政府はトランプ政権と暫定な取り決めを結び、米国の関税発動を回避したい考えだ。インドはまた、米中間の貿易摩擦が激化する中で、世界的なサプライチェーンの変化から恩恵を受ける可能性もある。
「インドはこの貿易戦争の間、強気相場を迎えるだろう。経済は国内向けの消費が中心だ」とスマートサン・キャピタルのファンドマネジャー、スミート・ローラ氏は指摘。「相場は間もなく底を打つだろうし、この下落局面を買い時とみている」と話した。

Source: Bloomberg
貿易戦争により、インドは中国に代わる製造拠点としてもスポットライトを浴びている。インド情報技術省は先週、昨年度(2024年4月-25年3月)のスマートフォン出荷台数が54%増加したと発表。米アップルの「iPhone」174億ドル(約2兆5000億円)余りの輸出が寄与した。
東京海上アセットマネジメント・インターナショナルの投資アナリスト、スネハ・トゥルスヤン氏(シンガポール在勤)は「報復措置を取らないインドの姿勢と積極的な交渉アプローチは、関税の面だけでなく、長年にわたる製造機会の可能性という点でも、インドをより強固な立場に置く」と説明した。

インドの対米輸出依存度は依然として低いため、関税による直接的な打撃は軽微にとどまる見通しだ。ブルームバーグがまとめたデータによると、インドの対米輸出は昨年、米国の総輸入の2.7%を占めるに過ぎなかった。中国は14%、メキシコは15%だった。
ジェフリーズ・フィナンシャル・グループのストラテジスト、マヘシュ・ナンドゥルカル氏は9日付のリポートで、「インドは相対的な優等生として浮上するはずだ」と分析。同社は10日、日本を除くアジアのモデル配分においてインドの投資判断を「オーバーウエート」に引き上げた。

原題:Global Funds Tout India Markets as Haven in Trump’s Tariff Chaos (抜粋)
