
阪神・才木
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新たな宝刀の取得に早くも着手した。阪神・才木浩人投手(26)が19日、ドジャースの先発右腕タイラー・グラスノー投手(31)から3日前に直接教えを受けたパワーカーブの習得に動き出した。日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎での練習中、門別とのキャッチボールで14球を試投。握りや曲がり具合を確認した。惜しみなくパワーカーブの極意を伝授してくれた剛腕の厚意に応え、才木が世界基準に向けてひた走る。
握りを確かめながら丁寧にカーブを試投する姿は、喜びに満ちあふれて見えた。16日のドジャースとのプレシーズンゲーム後、東京ドームのグラウンドで直撃してアドバイスを求めた才木。その熱意に対し、嫌な顔ひとつ見せずに親切に教えてくれたグラスノーの助言を思い返しながら腕を振った。一日も早くマスターし、自分の新しい武器にする――。「グラスノー・カーブ」の習得が始まった。
SGLでの先発組練習。門別とのキャッチボール中に初めて試投した。抜けたり手前でワンバウンドしたりもしたが、自身の感覚と擦り合わせながら14球を投げた。開幕目前の新球挑戦は異例だが才木は前向きだった。
「まだ練習中です」と多くを語らなかったのは、それだけグラスノーの思いを大事にしているからだ。16日のド軍戦で大谷へのリベンジ登板に成功し、5回1安打無失点。試合後も貪欲に動き、通訳を伴ってグラスノーにカーブの握りと投げ方を直接教わった。昨季の開幕投手で、7年連続で2桁の奪三振率を誇るMLB屈指の奪三振マシンの宝刀パワーカーブ。完成させることが恩返しになる。
2人は主要タイトルこそ獲得していないが、ともに長身の本格派右腕で、右肘のじん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)経験者であることなど、共通点も多い。グラスノーは「どの位置に力を入れるとか、どう持つかということを教えたんだ」と語っている。同じカーブでも、これまで投げていたものとは「違いますね」と才木は明かした。大リーグ公式サイトによれば、16日のカーブの平均球速は才木が115キロに対し、グラスノーは132キロ。高速で変化するから空振りを量産できる。手に入れれば才木の可能性をさらに広げるのは間違いない。
実際に受けた門別も「自分が言っていいのか分からないですけど、良くなっていると感じました。変化が大きくなった?はい、そんな感じです」と証言した。今後もテストを重ね、実戦で使う日を楽しみにする才木も「いろいろ練習してみます」ときっぱり。今季の投球は来春のWBCにもつながる。パワーカーブが、その道を切り開く武器になり得る。(鈴木 光)
《18年から7年連続奪三振率10.00超》〇…グラスノーは11年のドラフト5巡目でパイレーツに入団。16年にメジャーデビューし、18年途中にレイズ、23年オフにドジャースに移籍した。直球の自己最速は20年9月にマークした100・9マイル(約162・3キロ)。高速で鋭く落ちるパワーカーブが決め球で、昨季は平均83・7マイル(約134・7キロ)で空振り率47・5%を記録した。18年から7年連続で10・00以上の奪三振率をマークし、2度目の開幕投手を務めた昨季はいずれも自己最多の134イニング、168奪三振。規定投球回には届かなかったが、奪三振率11・28はナ・リーグ2位相当だった。
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