18日の日本市場は債券が下落し、長期金利は1.41%と2009年以来の高水準を更新した。米国の長期金利が時間外取引で上昇していることに加え、同日行われた20年債入札が不調に終わり、売りが膨らんでいる。株式は日本銀行の利上げ期待を背景に銀行株が買われ上昇。円の対ドル相場は下落した。

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  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、20年債入札は「かなり弱かった」と指摘。日銀の利上げ到達点がこれまでの想定より高そうだとの見方から「金利先高観が強まっている」とし、長期金利は1.5%を試す展開が続く可能性があるとみている。

  米長期金利は時間外取引で一時前営業日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い4.52%程度に上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は18日のシドニーでの講演テキストで、最近の経済指標は金利据え置きを裏付けるものだとの考えを示した。

  株式は銀行株のほか、欧州での防衛支出拡大期待から防衛関連株が買われている。中国政府によるテクノロジー企業への支援期待で半導体関連株も上昇。円の対ドル相場は朝方に1週間ぶり高値を付けた後、ウォラー理事の講演を受けて1ドル=152円台に下落した。

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国内債券・為替・株式相場の動き-午後2時3分現在長期国債先物3月物は一時前日比27銭安の139円11銭に下落新発10年債利回りは2.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.41%新発5年債利回りは1bp高い1.06%と08年10月以来の高水準を更新円相場は対ドルでニューヨーク終値比0.4%安の152円17銭東証株価指数(TOPIX)は前日比0.6%高の2783.5日経平均株価は0.7%高の3万9446円51銭債券

  債券相場は下落。20年債入札は2%の利回り水準で無難に消化されるとの見方もあったが、日銀の利上げ継続観測を背景とする金利先高観の強さから不調に終わった。

  入札結果によると、大きいほど不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)が55銭と23年12月(82銭)以来の水準に拡大。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.06倍と24年10月(3.04倍)以来の低水準となり、最低落札価格は99円05銭と市場予想(99円65銭)を大きく下回った。

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  スワップ(OIS)市場は日銀の利上げを6月に6割の確率で織り込んでおり、年内は1.5回前後の利上げを見込んでいる。ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は「債券相場は相当センチメントが悪く、長期金利は1.5%くらいまで行きそうなイメージがある」と語る。7月より早いタイミングの利上げは難しいとみているが、市場は疑心暗鬼に陥っていると言う。

株式

  株式は上昇。日銀の利上げ期待から三菱UFJフィナンシャル・グループや、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループなど銀行株が軒並み高となっている。

  T&Dアセットマネジメントの酒井祐輔シニア・トレーダーは「3月の利上げも可能性があると言われているぐらいなので、金融関連株に効いているだろう」と指摘。地銀も含めて銀行の第3四半期の業績も良かったため「市場はポジティブに反応している」と述べた。

  防衛関連株も上昇。欧州の首脳がウクライナ防衛のための防衛費拡大を協議したことを受け、三菱重工業は一時7%上昇した。日産自動車の内田誠社長が退けばホンダは交渉を再開する用意があるとの報道を受け、自動車株も買われている。日産は一時5.8%上昇、両社の統合計画への参加を検討していた三菱自動車は一時8.6%上昇した。

外国為替

  東京外国為替市場の円相場は1ドル=152円台前半に下落。ウォラーFRB理事が利下げに慎重な発言をしたほか、朝方に151円24銭と約1週間ぶり高値を付けた反動から円売り・ドル買いが優勢だ。

  野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストはドルの戻りについて、ウォラー理事の講演でハト派トーンが後退し、米長期金利が時間外取引で上昇していることが影響していると述べた。「対円や対ユーロで売られた反動もある」と言う。

   オーストラリア準備銀行(中央銀行)は18日、2020年以来となる利下げを決めたが、今後の追加緩和に慎重と受け止められ、豪ドルが対円などで買われて、対米ドルでも円売りが増えた面もあるとみられている。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

(リードの長期金利を2009年以来の高水準に訂正します)

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