着物姿でランウェーを進む参加者(4月21日、和歌山市で)着物姿でランウェーを進む参加者(4月21日、和歌山市で)

 「パラコレクション(パラコレ)」と銘打ち、障害者や高齢者らが思い思いのおしゃれを楽しむファッションショーがある。北海道で訪問理美容サービスを行う男性が「好きな服を着てもっと外出してほしい」と3年前に始めた。共感の輪が広がり、和歌山など5道府県で開催されてきた。(和歌山支局 古賀愛子) 「パラコレ」は、パリでの世界的なファッションショー「パリコレクション(パリコレ)」に、障害者スポーツの祭典「パラリンピック」を掛け合わせて名付けられた。 4月21日に和歌山市で開かれたパラコレでは、着物や、はかまを着た障害者らが車いすに乗りながら笑顔でランウェーを進んだ。健常者を含め、25人が色鮮やかな和服を披露すると、拍手が起こった。約10年前に病気を患い、車いす生活を送る同市の会社員(21)は「『車いすだとできない』との気持ちがある中、試してみたかった和服を着られたのがうれしかった」と喜んでいた。 発起人はNPO法人「日本理美容福祉協会」(東京)の帯広センター代表、森田浩幸さん(57)(北海道帯広市)。理容師と美容師の資格を持ち、病院や福祉施設などを訪問してきた。医療の知識を身につけるため、2018年に看護師資格も取った。 施設で車いすの障害者らが、おしゃれを楽しめていないことや、引きこもりがちになっていることを知り、「外出するきっかけを作りたい」とファッションショーを思い立った。施設の利用者らに呼びかけると、9人が集まり、21年11月に帯広市で初めて開いた。 森田さんは、車いす利用者を対象にした着付けなどの講習会を各地で開催している。パラコレに賛同する講師仲間が現れ、森田さんが主宰し、各地の賛同者が企画する形で、横浜、大阪、名古屋、和歌山市で開いてきた。 衣装の和服やドレスは主催者側が用意。これまでに健常者を含め、計約80人が出場した。森田さんは47都道府県で開催することが目標で、今後は兵庫県や奈良県などで計画している。「自信を持って街に出ることを促したい。障害者らが置かれた環境を理解することにつながれば」と期待している。

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