出土した土器などについて説明する金田主幹出土した土器などについて説明する金田主幹 縄文時代の遺跡「黒橋貝塚」(熊本市南区城南町)から埋葬された人骨が見つかった。保存状態は非常に良く、熊本市文化財課は「最新の技術で分析が行える貴重な資料」としている。今後、専門機関で分析して縄文人のルーツなどを探る。

 同課によると、黒橋貝塚は1972年、近くの浜戸川の堤防が決壊した際に見つかった。川を挟んだ対岸にある阿高貝塚を合わせた広さは約4万平方メートルで九州最大級。一部は「阿高・黒橋貝塚」として国史跡に指定されている。人骨などが出土した発掘現場(熊本市提供)人骨などが出土した発掘現場(熊本市提供) 人骨は、国史跡に隣接する民有地で4月下旬~5月上旬に実施された調査で発掘された。膝を曲げた状態で埋葬されており、骨の形などから縄文時代後期の壮年の女性とみられる。分解されずにほぼ原形をとどめていたのは、発見場所が深さ約3メートルの地点で水分が多く含まれる地層だったことが要因という。 黒橋貝塚で人骨が見つかったのは約30年ぶりで、縄文時代中期の土器も多数出土している。周辺では縄文時代中期~後期の500年以上にわたり、人々が生活していたことになる。加工した石器を意図的に配置した遺構、イノシシの頭骨(約40センチ)も見つかっており、再生を祈る儀式の場だった可能性もある。 24日には現地で報道陣に出土した土器や動物の骨などが公開された。同課の金田一精・文化財保護主幹は「これだけ多くの出土品が見つかるとは思っておらず驚いた。調査を通じて縄文人の生活や当時の環境を明らかにしたい」と話した。

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