大槌町の山林火災には消防隊員のほか県の総合防災課の職員も現地に駆け付け、対応にあたっています。
一方、地元でも地域のためにと奔走する消防団員がいます。
暮らしへの影響を山﨑愛子記者が現地で取材してきました。
山﨑愛子記者
「城山公園にある避難所には秋田県のトイレカーが設置されています。県外で使用されるのはこれが初めてということです」
岩手県大槌町に25日到着した県の避難者用のトイレカー。
主に車中泊をしている避難者に利用されています。
さらに防災ヘリの臨時発着場にも秋田県の文字が。
県の消防防災ヘリ「なまはげ」です。
自衛隊やほかの県のヘリコプターともに上空から放水活動にあたっています。
県消防防災航空隊救助副小隊長 右谷慎悟さん
「いざ秋田県でも災害が発生すれば応援に来ていただいたり、被災地への支援であったり、助け合いながらの生活になりますので、これ以上被害が拡大しないように早く普通の生活に戻れるように消火活動を必死で行っているところです」
支援は火の手が迫る地上でも。
火災発生の2日後には県の緊急援助消防隊の隊員が駆け付けました。
大槌町によりますと、27日は県の内外の約1,600人態勢で消火活動が行われます。
さらに消防隊員とは別に、大槌町の住民たちも自ら山林火災の対応にあたっています。
大槌町に住む菊池晃総さん47歳です。
菊池さんは大槌町消防団に所属していて、普段から火災発生時の初期消火や防災活動に取り組んでいます。
今回も22日の山林火災発生直後から小鎚地区に出動。
最前線で消火活動にあたってきました。
菊池さん
「まあこの状況なので住宅民家に火が回らないことだけ願ってますね」
「仕事してきます、またあとで」
消防団の活動の後、向かった先は三陸鉄道の大槌駅。
菊池さんは駅舎の中にあるラーメン専門店「麺匠ときしらず」の店主です。
母のえみ子さんと2人で営んでいます。
山﨑記者
「一緒にラーメン屋さん営むっていうのは」
えみ子さん
「思ってもなかったね」「73だよ」「ぼけっとしているよりはこうやって働けるのはいいのかなと思ってるけど最近はね」
菊池さん
「食べることは大事だと思うので、いつもと変わらない食べ物を提供できたらなっていう思いでやってます」
開店後、ほどなくして町の内外から大槌町を訪れた客が続々と入ってきました。
店一番のおすすめは黒醤油ラーメン。
県産の小麦を使った太麺に、たまり醤油と背油のこってりとしたスープが絡む人気の一杯です。
山﨑記者
「いかがですか」
客
「おいしいっすね~」
東京から
「結構生醤油がきいてる感じで、あとこの背油がいいですね」
釜石から
「近くに住んでるんですけど、行こう行こうと思ってなかなか来れてなかったんで、ほんとこれからも来たいなって思いました」
東日本大震災で大きな被害を受け、7年前の2019年にようやく完成した新たな駅舎。
菊池さんのラーメン店も同じく、7年前にオープンしました。
徐々に客足は伸び経営は軌道に乗っていましたが、山火事の影響で区間運休が続き現在、列車が大槌駅に止まることはありません。
観光客はいつ戻ってくるのか、不安が募ります。
菊池さん
「売り上げはもちろん心配です。GWはやっぱどうしてもお客さん毎年多いのでどのくらい影響出るのかは心配なところではありますね」
午後2時、ラーメン店の営業が終わると。
山﨑記者
「今からどちらに向かわれるんですか」
菊池さん
「今から消防団の屯所の方に向かいます」
大槌町の山林からは今も煙が立ち上っています。
住宅に火の手が回らないよう消防団の見回りは欠かせません。
消防団員
「もう煙と炎と」
菊池さん
「越えてきちゃった?火は?まだきてない?燃えてきた?」
団員
「燃えてきた」
菊池さん
「普段商売してると地元にいる機会が多いので災害、火事があった時は駆けつけやすい状況、時間とれたりするので、地元地域の力になれたらいいなと思ってやってますね」
今も緊急要請があれば出動する日々が続いています。
「自分のできることを精一杯続けていきたい」菊池さんはラーメン店の経営のかたわら地域の人たちの暮らしを守り続けています。
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県内でも今月、林野火災が相次いでいて、去年4月の1件から8件に急増しています。
要因として雪どけが早かったことや空気が乾燥した状態が続いていることなどがあげられています。
また、出火原因として枯草焼きなどが多くなっていますがきのうはクマ避けに鳴らした爆竹から燃え広がったとみられる火災も発生しています。
隣県だけの出来事とは思わず、改めて火の取り扱いには十分注意してください。
※4月27日午後6時15分のABS news every.でお伝えします
