ワールドプレミアの翌日、記者会見した「ナミビアの砂漠」の(左から)寛一郎さん、山中瑶子監督、河合優実さん、金子大地さん(18日、フランス・カンヌで) カンヌ国際映画祭の独立部門「監督週間」で、1997年生まれの気鋭、山中瑶子監督の新作「ナミビアの砂漠」がお披露目されました。主演は、テレビドラマ「不適切にもほどがある!」への出演で世間の話題をさらったばかりの河合優実さんです。ワールドプレミアの翌18日、山中監督いわく「出会うべくして出会い」、カンヌにまでたどり着いた2人に話を聞きました。(文化部 松田拓也)
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カナ(河合優実さん、左)とホンダ(寛一郎さん) (C)2024『ナミビアの砂漠』製作委員会 「ナミビア」の主人公はいわゆる「Z世代」、21歳のカナ(河合さん)。仕事も恋も、何に対しても情熱を持てない女性です。同居する彼氏のホンダ(寛一郎さん)は家賃を払い、料理も作って日々喜ばせようとしてくれますが、クリエイターのハヤシ(金子大地さん)との関係が深まるにつれ、カナは次第にホンダのことを重荷に感じていきます――。 日本の若者の実像をありのままに描く恋愛、青春映画で、河合さんが醸し出す雰囲気から目が離せません。上映後の現地の反応も上々です。 18日、日本メディアを対象とした記者会見では、山中監督が「パリから来た20歳ぐらいの女の子が『すごく美しい映画だった』と声をかけてくれた」と語りました。さらに言葉を継ぐ女性の目からは、どんどん涙があふれてきたそうで、「すごく美しい光景だった」と明かします。
カナ(河合優実さん、左)は、自信家のハヤシ(金子大地さん、右)に心をひかれていく。 (C)2024『ナミビアの砂漠』製作委員会 「『僕の前の彼女が、あんな感じだった』という感想もありました」と紹介したのは、寛一郎さん。河合さんは、「2人組のフランスの女の子がお芝居をやっているようで、『あなたみたいになりたい』と言ってくれたのが、すごくうれしかったです」と喜んでいました。 金子さんは、現在23歳の河合さんが10代の時以来の共演だったと話し、その熱演ぶりをたたえていました。「作品と役に真心を込め、毎シーンに力を注ぐ河合さんに、僕自身も影響を受けました」◇ 山中監督と河合さんの出会いは、6年前にさかのぼります。山中監督が19歳から20歳にかけて制作した初監督作「あみこ」の舞台あいさつ付き上映を、高校3年生だった河合さんは見に行ったそうです。当時、女優を志したばかりだった河合さんは「あみこ」の面白さに刺激を受け、直接、「いつか(山中監督の作品に)出演したい」と伝え、後日、手紙も送ったといいます。ちなみに、「あみこ」は「ぴあフィルムフェスティバル」で上映され、観客賞を受賞。ベルリン国際映画祭を始め、数多くの海外映画祭に招待されています。 そして時はたち、今回の「ナミビア」です。「(河合さんは)シンプルにとても良い顔をしているので、よく覚えていた」という山中監督は、3年ほど前から河合さんを主演に迎えた別の企画を進めていました。しかし、「今、自分が撮るべき作品じゃない」と感じ、昨年5月に企画の内容を変更したといいます。 その際、出会いの時以来となる再会を果たした2人。その時に交わした会話を振り返ります。「『ごめんなさい。河合さんが主演ってことしか決まってないんです』『振り出しに戻ります』みたいなことを伝えたら、『山中さんとなら、大丈夫です』って言ってくれたんです」(山中監督)。「『今、山中さんと映画を作りたい』と思っていたから、全力で励ましました! 絶対に何とかなるって思っていました」(河合さん) そして、山中監督は約1か月で脚本を書き上げ、昨年9月末から2週間ほどかけて今作を撮影。編集を経て、同12月末に完成しました。「こんなにいい映画になったのは、本当に河合さんの力が大きい。河合さんと映画が一体化した感じが、功を奏したと思います」と手応えを語った山中監督。河合さんも「山中さんの作るものは面白いだろうと、みんな確信していた気がします。『あみこ』を見て面白い、好きだと思った感覚は今思っても間違っていませんでした」。 相思相愛の2人が生み出した「ナミビアの砂漠」。日本でも今年、公開予定です。
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