【テヘラン=吉形祐司】ベルリン国際映画祭で最高の金熊賞を2020年に受賞した「悪は存在せず」のイラン人監督モハマド・ラスロフ氏が、反体制的とみなされてテヘランの革命裁判所から禁錮8年とむち打ちの有罪判決を受けた後、ひそかに国外脱出していたことが14日、弁護士への取材で確認された。

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モハマド・ラスロフ氏=ロイターモハマド・ラスロフ氏=ロイター ラスロフ氏は14日に開幕したカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に新作「聖なるイチジクの種」(仮訳)を出品している。映画祭に出席予定だという。

 国家安全保障に反する共謀罪で有罪が確定しており、8日に判決結果を公表したババク・パクニア弁護士は本紙に、「ラスロフ氏は西欧のある国にいて、連絡を取り合っている。保釈中だったため、収監手続きの間にイランを出国した」と語った。出国の方法や経路は明かさなかった。 ラスロフ氏は自身のSNSに13日夜、残雪のある山岳地帯の動画とともに「国境を越えて安全な場所にたどりつく手助けをしてくれた友人、知人に感謝する」と投稿。イランの体制指導部に対し「人々は抑圧的なあなた方と体制を歴史の底に埋没させることを待ち望んでいる」と批判していた。