北九州市門司区の窯元「濱田窯」が5月末で44年にわたる活動を終える。主宰する濱田正明さん(74)、陽子さん(74)夫妻は同2~6日、同窯で2人の作品を展示する最後の「陶展」を開く。夫妻は「窯を始めた頃からのお客様もいる。感謝の気持ちを込め、皆さんに満足してもらえるようにしたい」と準備を進めている。(小川哲雄)
陶展の準備を進める濱田さん(右)と陽子さん 濱田さんは門司出身。大学時代、大手企業に就職した先輩から仕事が面白くないと聞き、憧れていた「ものづくり」の中から作陶の道を選んだ。
大学の休暇を利用し、素朴な陶磁器を求めて鹿児島県の苗代川焼の窯元で修業を始めた。卒業後も続け、一緒に修業していた陽子さんと結婚。27歳の時に2人で愛媛県に移って砥部焼の技術も学び、1980年、門司区喜多久地区に「濱田窯」を構えた。 2人は、それぞれ土を練り、ろくろや石こうの型を使って茶わんや皿、カップなどに成形した後、線や水玉模様を入れて一緒に焼き上げる。同じ陶土や上薬、窯を使うため作風は似ており、土の風合いを生かした温かみが特徴。著名な料理研究家が愛用したこともあって人気を集めた。 例年、大型連休に窯で陶展を開き、東京や京都、福岡などで約20回の展示会も重ねた。しかし、昨年、濱田さんが体調を崩し、夫妻ともに今年で75歳の節目も迎えることから、窯を閉めて子どもたちが住む福岡市に転居することを決めた。その後は、取引先の小売店から相次いだ注文に対応する日々だったが、現在は陶展に向けて作品の絵付けや窯入れの作業に汗を流す。 濱田さんは「ずっと日常に密着した器を作りたいと思ってきた。ゼロからスタートして、これで最後の仕事になる」と感慨深げに語り、陽子さんは「2人とも元気なうちに窯を閉めるのもいいと思う」とほほ笑んだ。 陶展では作業場や展示スペースに茶わんや皿、カップ、鉢などを並べて即売する。午前10時~午後5時。問い合わせは濱田窯(093・341・2369)へ。
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