新潟地裁の判決に複雑な表情を浮かべる森さん(右)新潟地裁の判決に複雑な表情を浮かべる森さん(右) 国の基準で新潟水俣病と認められず、救済を受けられないのは不当だとして、国などに損害賠償を求めた新潟県の原告47人のうち、26人だけを水俣病と認定した18日の新潟地裁判決に対し、国などと係争中の「熊本訴訟」の原告らは、「全面勝訴を信じていたのに」と複雑な表情を浮かべた。「被害者救済法の不備を指摘した」と一定の評価を示す声も上がった。(白石一弘、石原圭介)

 新潟地裁前に駆けつけ、判決の行方を見守った熊本訴訟の森正直・原告団長(73)は、概要を知ると顔を曇らせ、「厳しい」とつぶやいた。 昨年9月の大阪地裁判決は原告128人全員を水俣病と認めた。今年3月の熊本地裁判決では、原告の請求を退けている。 森団長も訴えを棄却され、福岡高裁に控訴している。「大阪のようなまともな判決を期待したのに」と唇を震わせながらも、判決が原告26人を水俣病と認めたことは評価し、「福岡高裁でひっくり返せる勇気をもらった。今後の闘いに生かせる判決だ」と力を込めた。 「近畿訴訟」の徳井義幸・弁護団長(70)と熊本訴訟の寺内大介・弁護団事務局長(58)は、新潟地裁の法廷で判決を聞いた。「勝ったか負けたかよく分からず、近畿と熊本の間を取ったような判決だ」と述べ、「いずれの判決も救済法の誤りを指摘している。国は運用を見直し、すべての被害者救済に動けと言っていることが共通点だ」と強調した。

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