
2025年、モスクワの地下鉄駅に新たに設置されたスターリンのモニュメント。大勢の人が記念撮影をしている Photo: Contributor / Getty Images
スターリン像が増えるロシア
ロシアでいま、スターリンが帰ってきている。
ソチ、ノヴォシビルスク、そして首都モスクワ──ロシア各地の都市で、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンの像や胸像が次々と建てられているのだ。
独紙「ターゲス・ツァイトゥング」によれば、2025年9月時点でロシア国内のスターリン記念碑は176基に達した。2023年には110基だったので、急激に増加していることがわかる。しかも、この大半は、ウラジーミル・プーチンが権力の座にあったこの四半世紀のあいだに設置されたものだ。
この「スターリン・ルネサンス」は、単なる懐古趣味ではない。ターゲス・ツァイトゥングが取材した米国の歴史家デイヴィッド・サッターは、ウクライナ侵攻が「帝国の夢」を育てており、その夢を体現する最もふさわしい人物としてスターリンが呼び戻されていると見る。
スターリンは、大粛清や強制収容所、ウクライナのホロドモールを含む大量死に責任を負う独裁者である一方、ロシアにとっては「巨大な帝国」を築いた指導者として再評価されているのだ。
ロシアの世論にもその変化は表れているようだ。独立系調査機関レバダ・センターの調査では、2014年のウクライナ侵攻前にスターリンを肯定的に見ていたロシア人は28%だったが、2023年には63%に上昇した。
2025年6月の調査では、スターリンを「史上最も傑出した人物」と見る人が42%にのぼったという。
忘れられる歴史
その裏では、スターリンの政治弾圧やその犠牲者たちの記憶が抹消されようとしている。
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